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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】
フリーター誕生から30年の今、思うこと

■それは、映画のタイトルだった

フリーターの起源をご存知でしょうか。

「フリーター」という言葉が世に出たのは1987年、ちょうど今から30年前のことでした。リクルートのアルバイト情報誌「FromA」(現在はFromA NAVIという求人サイト)から生まれたのです。当時、新聞・雑誌・テレビなどでも頻繁に使われるようになっていた「フリーアルバイター」いう言葉を「フリーター」と略して、FromA創刊5周年記念映画のタイトルに冠したのが、その起源。三浦友和さんも出演したこの映画自体は残念ながら奮いませんでしたが、フリーターという言葉は、ここから世に出回っていくようになりました。


「フリーター」という働き方が発生した背景は大きく3つ。


ひとつ目は「産業構造の変化」。1970年代に生まれてきたコンビニやファストフードなどのチェーン店が一気に増え、それまではマイナーな雇用形態であったアルバイトの求人自体が急増しました。

ふたつ目は「バブル景気を背景にした雇用環境」。いったんフリーターの道を選んだとしても、就職しようと思えば 正社員として就職できる受け皿がいっぱいあったのです。

そして三つ目は「就業価値観の変化」。受験勉強に励み偏差値の高い大学に合格し大企業に入社するという生き方が「勝利の方程式」とされた時代、その単線的な生き方を保守的で退屈だと感じる学生が大量発生。彼らは就職ではなく夢の職業を追いかける、あるいは正社員としての就業をあえて放棄して人生を果敢に攻める、そんな生き方を選択するに至ったのです。信じられないかもしれませんが、「フリーター」は当初、「正規」のキャリアルートよりもアグレッシブでポジティブな働き方だったのです。


■中年フリーター問題

1990年代前半にバブル経済が崩壊。自らの意思で非正規という働き方を選択していたフリーター層も、社会のうねりの中、正規の職に就けない層と渾然一体となっていき、その数を急増させていきます。そして、その後の2000年初頭、日本は就職氷河期に突入。新卒で就職できなかった学生の多くは、フリーター以外の選択肢がない状況へと追いこまれました。この時期からフリーターは完全に、正規の仕事に就けない雇用形態を指すネガティブな呼称となっていったのです。


こうして就職氷河期時代にフリーターとして大量に世に出た世代が35歳を超え、いまや非正規と言われる働き方のボリュームゾーンを占めるようになっています。もちろん自ら望んでパートで働く主婦などもいますが、「正規の職員・従業員の仕事がないから」という理由で、不本意ながら非正規の仕事に就いている人にとっては深刻な問題です。

この「不本意中年フリーター」問題は、確かに「貧困×孤独×高齢者」の問題に直結する社会課題として大きな影を落としています。


■類をみない売り手市場を追い風に!

そんな中、正社員の有効求人倍率が、初めて1倍を超えました。厚生労働省が発表した2017年6月の正社員の有効求人倍率は1.01倍。1倍を超えて求人が求職を上回るのは2004年の調査開始以来、初めてのことです。これは「不本意中年フリーター」にとってグッドニュース。


不本意ながら非正規の仕事に就いている理由の多くは、いわゆる「雇用のミスマッチ」です。雇う側と働く側の間に、例えばスキルに関する要望値や待遇に関する期待値といった大きな溝があり、そのギャップが埋められないことが少なくありません。

しかし史上空前の人手不足は、企業と労働者の関係性を変えつつあります。求人数が求職者数を超えたということは、企業が非正規に門戸を開き、待遇改善を進めるといった力学が必ず働きます。現に労働市場で取り残されやすい傾向にあった長期失業者が減少に転じたというデータもあります。つまり長期失業でスキルの向上機械に恵まれていなかった潜在的な労働者でさえ、労働市場に復帰しているのです。このような類を見ない売り手市場だからこそ、不本意ながら非正規で働く中高年の方々には、積極的に情報を取りに行き、その中で選り好みしすぎずに現実的な選択をしていただきたい。


氷河期に端を発した中年フリーター問題を解消するためのキャスティングボートは今、中年フリーター自身のアクションに委ねられています。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
 ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。