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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】成人年齢から考えるキャリア論

140年ぶりに成人の定義が変わる!

今月の13日、成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる改正法案が可決されました。施行は2022年4月1日とのこと。なんと、成人年齢の見直しが、1876(明治9)年の「太政官布告」で満20歳とされて以来、約140年ぶりに行われるのです。これ、すごいことじゃないですか。


しかしながら、今の18歳って果たしてオトナなんでしょうか。


そういった観点もあってか、女性が結婚できる年齢は、16歳以上から男性と同じ18歳以上になります。また18歳から親の同意なくローン契約やクレジットカードを作れるようになる一方、 飲酒や喫煙、公営ギャンブルについては依存症への懸念から「20歳以上」を維持するとのことです。少年法適用年齢については法制審で議論が続いています。


もう一度、問います。今の18歳って果たしてオトナなんでしょうか。


30歳成人説

作家の村上春樹氏が「30歳成人説」なる説を唱えています。人生50年と言った織田信長が元服したのは弱冠15歳でした。人生100年時代と言われる21世紀の現在、平均寿命の観点からも「成人を30歳と捉える」というのは、確かに、すごくしっくりきませんか。村上春樹氏だけでなく、作家の田口ランディさんも人間は29歳に転機を迎えるという「29歳変動説」という説を唱えています。

彼らに共通しているのは、

・自分が本当にやりたいことなんかそう簡単に分かるものではない。

・30歳くらいまでは色んなことをやって、そこから人生の進路を決めればよい。

という論旨です。


身体年齢ではなく精神年齢で「成人」を定義しようと言っているのですが、実は、これはキャリア論ですよね。そういった意味で、専門的にキャリア視点から「30歳成人説」を唱えたのが、リクルートワークス研究所の大久保幸夫氏でした。彼は、その著書「キャリアデザイン入門」においてこの説を展開しています。


山登りの前の筏下り

大久保氏は30年を、最初の15年間と後半の15年間にわけています。

生まれてから15歳までの子供は、家庭教育および義務教育によって人生の基礎を勉強する時期。

16歳から29歳の子供は、高等教育および社会教育によってオトナになるための応用を学ぶ時期。

そう考えると、大学を卒業しても30歳くらいまでは子供としての教育期間なのであるという論です。


とりわけ20代というのは、激流を筏で下り、流れにもまれるように仕事に打ち込み、経験を積むことによって職業人としての基礎能力を高めていく時期だと。確かに就職して間もない20代は、初めて経験することばかりで、変化に富んでいて「筏下り」に似ています。


キャリアの基本戦略を、強みの上に自分自身を築くことだとすると、強みの延長線上に専門性の分野を選ぶことになります。「筏下り」の時期に培った強みや専門性などを踏まえて自分のゴールを設定し、「山登り」のように計画的、あるいは戦略的にプロフェッショナルへの道を歩み出していくこと。

それこそがキャリアデザインであり、そのターニングポイントが30歳だと。


就活生へのエール

就活本番の時期です。

「自己分析を極め、なりたい自分を強くイメージしろ」というように学生には、ゴールを前提としたキャリア論を迫りがちですが、大久保氏の「30歳成人説」は、その閉塞感を打破してくれます。


この時期にゴールを意識しても無意味。しかしながら急峻な崖に挟まれた激流に始まった筏下りも、しだいに川幅が広がって岸壁に激突する危険は少なくなり、流れは緩やかになっていく。そして視界も広がってくる。そこから本格的なキャリアを目指せばいい。

そう説いているのです。


個人的にも、まったくもって大共感です。


そう考えると、3年で3割辞めたっていいじゃないか。

社会に出ることは、ゴールではなくスタート。

いろいろぶつかりながら、見つけていけばいいんだよ。

頑張れニッポンの就活生。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
 ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。