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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】
ホワイトカラー・エグゼンプションと時間価値

ホワイトカラー・エグゼンプションの議論がさかんです。
安倍首相が発した成長戦略の中でも最も注目されたものの1つと言えるでしょう。年収1000万円以上の高度専門職に、時間ではなく成果で測る働き方を導入し、16年春の施行を目指すとしています。

賛否は分かれますが、ホワイトカラーの成果が、かかった時間によらない場合が多いのは明らかです。
これまで日本を牽引してきた第2次産業で働くブルーカラーは、働く時間と成果が連動しやすく、働いた時間をベースに給与が支払われることに違和感はありませんでしたが、第3次残業への産業構造シフトの中で、働いた時間に関係なく成果で給与が支払われるという議論は、ある意味で必然といえます。
「労働時間の価値」とは

そして、このホワイトカラー・エグゼンプションの議論は、「労働時間の価値」とは何かを再考するうえでも、非常に重要な議論ではないかと考えています。これまでの日本的雇用慣行においては、残業を前提とした長時間労働が当たり前の働き方であり、もっというと美徳ですらあったように思われます。

このようにすべてを「残業」という力技でなんとかしてきた日本特有の働き方にメスを入れるきっかけとなるのでは、という期待です。


働く時間の「総量」が価値なのではなく、例えば働く1時間が、緩い1時間ではなく濃い1時間であること、この「濃密な付加価値」の提供が価値なのだというパラダイムシフトです。


日本で働く時間の長さを価値としてきたことが、時間あたり生産性の低下を招いた一因だと唱える識者もいます。


「時間資本主義の到来」の著者である松岡真宏氏は、この本の中で「時間価値」という概念に触れています。この「時間価値」が示唆してくれるのは、まさに上述した「時間あたり価値」と、もう1点、「細分化された時間の価値」です。

長時間労働は、男性中心の滅私奉公型の一元的な働き方しか成立しにくく、それこそダイバーシティもワークライフバランスもありません。

働き方の多様化は、働く時間の多様化と同義なのかもしれない、との気づきを改めて与えてくれます。


パートタイムからマイクロタスクまで

働く時間の多様化という視点でいけば、ホワイトカラー・エグゼンプションの議論は、あくまでも正社員に限られた話であって、パートタイマーという言葉にもあるように、正社員以外の労働市場では、働く時間の多様化は当たり前の世界観です。


リクルートジョブズが行った「主婦の就業に関する1万人調査」によると、「20~49歳の既婚・子どもあり女性」に理想的な1日の就業時間を聞くと「5時間程度」31.6%が最も多く、次いで「6時間程度」24.0%、「4時間程度」19.4%となっています。また一方で実際の就業時間は「4時間程度」26.2%が最も多く、さらに短時間労働の実態が浮き上がってきます。


彼女たちは、この限られたワークタイムと、家事育児というライフタイムの両立の中で、最も「時間価値」を実感している人達かもしれません。


すきま時間を切り売りすることで生む価値

前述の「時間資本主義の到来」で松岡氏は、さらに時間が細分化され「すきま時間」に価値が宿ると語っています。

確かにITやモバイル技術の進化でちょっとした移動時間や待ち時間など、「すきま」のような時間の価値が飛躍的に高まってきました。こうなると人は「すきま時間」を少しでも有効に使いたくなります。


究極の有効な使い方はまさに、このすきま時間を売ること。


スマホ片手に誰もが、わずかなすきま時間を切り売りしてクリエイティブなアイデア次第で稼いだり、移動中の空き時間を有効に使えるような時間貸しスペースや「時短」をコンセプトにした商品、サービスの開発、空間づくりが、大きなビジネスチャンスにつながる、との論調です。


パート・アルバイト求人メディアの世界では

ジョブ情報を提供するパート・アルバイト求人メディアの世界でも、シフト勤務ベースでマッチングする「シフトワーク」、週1勤務・短期間勤務でマッチングする「ショットワーク」などのサービスがあります。

また、最近では雇用でさえなく、ジョプというよりタスク単位でマッチングする「ランサーズ」「クラウドワークス」「シュフティ」などのマイクロタスクサービスの台頭も著しいです。

また「タイムチケット」なる、まさに時間単位で自分のスキルを切り売りするサービスの登場をご存じでしょうか。


働く時間をクリエイトする

ただ、現場マネジメントの立場からすれば、今でも使い勝手のよいフルタイムワーカーがファーストチョイスとなりがちでしょう。

ただでさえ忙しい本業をこなしながら煩雑なシフト管理が、さらなる業務負荷になる、という話もよく聞きます。

しかし、この「時間価値」の時代に、パートタイムの受容をはじめ、働く時間をどれだけ柔軟に考えることができるか、もっというと働く時間の在り方をどれだけ多様にできるか、が間違いなく重要となります。働き方の多様化とは、働く時間の多様化です。


ワークライフバランスとは、ワークタイムとライフタイムのバランスです。

「働く時間をクリエイトする」――これこそが、採用シーンにおいて、人材マネジメントにおいて、最も重要な人事戦略のキーワードかもしれません。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
 ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。