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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】予期せぬプチイクメン体験記

ツナグ働き方研究所・所長の平賀充記です。

私事の話になってしまい恐縮ですが、自分の奥さんが仕事で3週間ほど海外出張に行くことになり、自分と息子だけで生活する日々が訪れました。仕事と家庭を両立するプチイクメン期間。

ツナグ働き方研究所の所長である自分にとって、これはまさにワークライフバランスを実体験するまたとない機会となりました。今回はこの体験による気づきをレポートしたいと思います。
【イクメンの気づき1】必要以上に肩身がせまい

イクメン期間、当然遅い時間の会議やいろいろな会食はできるだけ控えたいところです。

職場ではスケジューラーをメンバーにオープンし、誰からでも会議招集ができるようになっているので、まずはスケジューラーをブロックする必要がありました。

でもスケジューラーに、3週間に渡って19時以降をずーっと「予定あり」と書き込んだ時、ふと違和感を感じました。


――「予定あり」と無機質に書き込まれているその画面に、メンバーはどんな印象を持つだろうか。


自分のせいで彼らの仕事が停滞する可能性さえあるというのに、あまりにも横柄すぎないか。

少し考えて、そのスケジュール画面を3週間分すべて、


「イクメン期間です。申し訳ないけど1900以降の会議や会食はご遠慮いただけますか」


と書き替えました。


そんなにへりくだる必要はない? むしろ嫌味? と思ったりもしたけど、周囲の暖かい理解を勝ち得るためには、そのくらいやるか、と。

時短で働くママのインタビューでも、「すいません、お先に失礼します!」と退社時に必ず謝ってしまうという声がありました。他の人より先に帰る負い目もあるので、トイレに行くのも我慢して120%の仕事量をこなしているつもりなのに、つい「すいません」と言ってしまう、というママの言葉、まさに今回、身に沁みましたね。


【イクメンの気づき2】朝はいつもの1.5倍は時間かかる

初日。息子に朝食の用意をします。トーストと昨日のお味噌汁とヨーグルト。

組み合わせがどうとか言ってる余裕はなかったです。いつもはメニューの組み合わせにうるさい息子も、文句を言わずに食べてます。彼なりにオヤジとの二人生活で気をつかってるんでしょう。

なんだかんだで、家事をやるといつもの朝に比べ家を出るまでに1.5倍かかります。


【イクメンの気づき3】ほっとくと部屋はすぐに荒れる!

休日は、いつも家にいるわけだしと、たかをくくっていたら、これがけっこう大変なんです。

思った以上にすぐに散らかります。

小6の息子が服を脱いだら脱ぎっ放し。お風呂あがりのタオルも床、塾のカバンも床、DSも放ったらかし。

息子に小言を言いながら拾って歩く。

すべて片付いたと思っても数時間後にはまた同じ光景。


いままでまったく気になってなかったということは、奥さんがこまめに片づけていたということなんでしょう。

洗い物もすぐに溜まります。こまめに洗っても、またすぐ新たな洗い物発生。なんか洗い物だけで数時間費やしてるくらいの感覚。ふだん自分では使わない食洗機の使い方を、聞いとけばよかったと大後悔です。


そうこうしてる間にあっという間に夕方。晩ご飯つくらなきゃ。お風呂も入れなきゃ。

おっと洗濯もしてないぞ。先に洗濯したほうがいいか。いやお風呂の残り湯で洗濯したいからやっぱ先にお風呂、そして洗濯。でもそのあとご飯作ってたら、食べる時間めっちゃ遅くなるぞ。

どの順番でやればいいのだ? 頭がバターになりそうで、結局できたことはご飯つくったのと、お風呂沸かして息子を入れさせたこと。洗濯はできず、疲れて自分はお風呂入れず。


段取り悪すぎです。苦笑。逆算してゴールから組み立てる主婦のマルチタスク処理能力の凄さを痛感させられます。


【イクメンの気づき4】子供が熱を出した時の、働くママの気持ちを追体験

週明けの月曜日朝。恐れていたことが起こりました。息子の腹痛です。

かなり繊細派なうちの息子は、なにかあるとよくお腹がいたくなるんです。たぶんママがいないという不安が潜在的なストレスとなっているんでしょう。

とはいえ仕方なく、お腹がいたい息子を残して出社。

彼の不安気な視線に、いたたまれず「なにかあったら電話して!」と言って出たものの、午前中は社内の重要な会議で電話に出れず。会議が終了したお昼に携帯電話をチェックしたら、着信が9回も。

かわいそうな気持ちでいっぱいになりながら電話をしたら、10回以上のコールののち弱々しい息子の声。


腹痛がおさまらず学校を休んだみたいでした。その後も息子からの電話は断続的に続き、その都度、いろんな打合せや会議が止まります。

普段ならほっときますが、ママがいない彼の不安もわかるし仕方なく応対します。

ほんの数分のブレイクですが、メンバーには申し訳ないです。板ばさみ感満載です。


イクメンからイクボスへ

今回、つらつらと自分のイクメン体験を書いてきたわけですが、やってみて分かったのは、想像以上に家事育児は大変ということ。

家事を甘く見ていた=家事育児へのリスペクトが足りてなかった証です。でもこういう気づきは非常に重要。


育児や介護といった生活と仕事の両立を目指す部下の事情に配慮し、活躍を後押しする上司を、一般的に「イクボス」と呼びますが、配慮し、後押しするためには、まず理解する必要があるわけで、ワークライフバランスを理解することは、逆にワークライフコンフリクトを理解することの裏返しでもあります。


だからこそ実際に体験して感じることに大きな意味があるはずです。


また理解だけでは足りないという指摘もあります。

人事管理に詳しい中央大学大学院の佐藤博樹教授は、自ら主宰する「ワークライフバランス&多様性推進・研究プロジェクト」において、望ましい管理職像を「部下の生活と仕事の両立を意識するのはもちろん、自らもメリハリのある働き方をし、私生活も大切にする管理職」としています。


まさに究極のイクボス。


女性活躍を推進する日本において、女性が働きやすい職場を整備するためにも、イクボスの増加は大きな鍵を握っています。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
 ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。