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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】採用市場のマイナス金利政策?

今回はツナグ働き方研究所所長の平賀より、「マイナス金利」と「おまかせマック」についてのお話です。
■マイナス金利の衝撃

2月16日の朝刊、新聞各社の1面はこぞってマイナス金利導入を報じました。ご存知のように、金融機関が日本銀行に持つ当座預金の一部について、マイナスの金利をつける政策です。手数料を取られる形になる金融機関は、日銀に預けていたお金を企業や個人への貸し出しに回すことが期待されますから、その圧力が結果として経済の活性化を実現するという目論見から導入されました。ドイツやデンマークをはじめヨーロッパではすでに導入されているようです。


経済通ではない自分は、恥ずかしながらこの「マイナス金利」という金融政策があるということを今回はじめて知りました。ゼロ金利というだけでもその是非をめぐる議論がなされ、アメリカが金利を上げはじめる政策をとるとの報道もあり、余計にインパクトがあります。ましてや、銀行にお金を預けると利子がつく時代から手数料を取られる時代が来るなんて。


■おまかせ!マック

さて、マイナス金利は経済活性化にむけた劇薬ですが、深刻な人手不足に苦慮するアルバイト・パートの採用マーケットにおいて、このようにパラダイム転換を図る打ち手というか、むしろ従来と真逆にふっていくような大胆な打ち手は存在しないのでしょうか。そのひとつの可能性を提示しているかもしれないのが、マクドナルドの「おまかせ!マック」サービスかもしれません。


アルバイト希望者が働きたい曜日や時間帯、場所などの勤務条件を募集サイトに登録しておくと、日本マクドナルドのリクルートセンターがフランチャイズチェーン店を含めた約3000店の中から希望条件にフィットした店舗を抽出し、紹介するというサービスです。


従来も採用ホームページで各店舗の募集情報を掲載していましたが、これは一般的な求人メディアと同様に求職者が自分の条件にあう店舗を自分で探すスタイルでした。このサービスでは、日本マクドナルドの本部が求職者の希望条件を踏まえて選び出して紹介してくれます。求職者からすると、自分で探していたのが自分を探してもらえるという まさに真逆な仕組みで、これこそマイナス金利と同じような逆転の発想と言えるかもしれません。


■「自ら探す」から「探してもらえる」ことで採用力は高まるか?

このような「登録→紹介」というサービスは転職マーケットでは一般的ですし、近年は新卒マーケットにおいてもどんどん増加しています。一方、アルバイトマーケットにおいては、一部で求人メディアからレコメンドメールが届くサービスもありますが、いまだ求職者が自ら応募する スタイルが主流です。ましてや単独1社で登録を募り紹介をしていくというのは、規模感とブランド力がないと成立しません。今回の日本マクドナルドの打ち手はマイナス金利政策と同じように、かなり画期的かつ野心的な取り組みと言えるのではないでしょうか。


さて、求職者が「探す」のではなく求職者が「探してもらえる」、というこの仕組みは、はたして採用力を高めることが可能なのでしょうか。求人情報が埋もれてしまいなかなか応募が集まらなかった店舗からすると可能性は高まるかもしれないし、求職者も自分では見つけられなかった店舗からのオファーが来ることは嬉しいことかもしれません。


一方で、自ら応募するという意思というか本気度が、採用コンバージョンを上げる大きな要素であることは、応募者の電話を代行して受け付けるコールセンターを運営する弊社の知見からみてもまぎれもない事実です。アルバイト求職者が、自ら探す時代から探される時代へと転換していくことがもたらす功罪や副作用が不透明なのも、まさにマイナス金利的といえるかもしれません。今後を注視したいと思います。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
 ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。