Column

2019.02.01

【ニッポンを元気にする対談】一緒に新しい若者キャリアの在り方を創りましょう!Orario代表芳本大樹さん

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今回ゲストとしてお迎えしたのは、2016年6月、大学4年生で株式会社Orarioを設立した芳本大樹さん。立ち上げた履修管理アプリサービスを起点として、これからは大学生のインターン、就活支援など、日本の若者がキャリアを積み上げていくためのさまざまなサービスを模索する若きベンチャーだ。昨年、ツナグ・ソリューションズグループと業務提携を果たした仲間でもある。さまざまな問題が顕在化するニッポンの若年労働市場を一緒に変革していくためにも、その思いについて多いに語ってもらった。

平賀
今回、芳本さんのOrarioと、我々のツナグ・ソリューションズグループは資本業務提携をさせていただくこととなりました。改めてよろしくお願いいたします。
芳本
こちらこそよろしくお願いします。
平賀
実は、今回の提携について聞いた時に、お互いにフィードバックされる相乗効果がめちゃめちゃあるなと直感的に感じました。個人的にもすごくワクワクしています。しかも事業という範疇を超えて、日本における若者キャリアの描き方を大きく変えていけるポテンシャルがあるんじゃないかと。そういった意味でも、本日はツナグ働き方研究所の所長として「若者のキャリア」を中心にいろいろとお話をお伺いさせていただきます。
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時間割のすき間にアルバイト情報を提供

平賀
まずは「Orario」というサービスの立上げについて、簡単に教えてください。
芳本
大学生活を豊かにするアプリをつくろうという、立命館公認のアプリ開発サークルがありまして。そこで開発したのが時間割アプリの「Orario」だったんです。大学生活の中で不便に感じていたことを解消するためにつくったというか。身内向けのアプリからのスタートでした。
平賀
そこから、どうやって起業にまで至ったのですか?
芳本
より使いやすくするために、大幅にリニューアルをしたら、学内だけでユーザー数が1万人以上になって。他の大学でも同じようにニーズがあるんじゃないかと思い、試しに同志社で展開してみたんです。すると、約2カ月で1万ダウンロードを記録して、そこで確信が持てました。2016年に法人化して今では関西、関東の18大学で導入されています。
平賀
その履修管理アプリ「Orario」との連携が、まずはベースとなる業務提携分野なわけですが。
芳本
はい。これからやろうと思っていたのが、アルバイトの領域のところでした。すき間時間を活用していきましょうと。その選択肢のひとつがバイトでもあると思うので。
平賀
要は学生の時間割のすき間にアルバイト情報を提供しようと?
芳本
遊ぶにしても旅行へ行くにしても、学生さんも色々とお金がかかると思うので。「Orario」のユーザーに授業の合間の時間を有効活用していただき、「ショットワークス」さん経由で短時間のアルバイトをするとか。
平賀
21世紀は、時間資本主義時代だとも言われています。中核グループ会社のインディバルが展開する「ショットワークス」は、働く時間に特化した求人メディアですから、まさに相性がよいですね。

アルバイトというキャリアを可視化したい

芳本
それからインターンというテーマもやりたいんです。学生さんにとって少しでも社会人経験になるような、そういう意味でバイトというよりインターンに近い領域です。
平賀
アルバイトは、まさに学生時代における貴重な体験でもある。一定期間のイニシエーション的な経験が、その人の先々のキャリアにどう活きてくるのか。そこを突き詰めていきたいというのは、自分のテーマでもあります。アルバイトで得た無意識的な蓄積が、実はキャリアを築く上で大いに役に立っているとか。そこを可視化できるようになれば、素晴らしいですよね。
芳本
最近、就活生の間でよく言われているのが、「スターバックスでのアルバイト経験があると、面接ですごく有利になる」。それは、もはやインターンに近いのかなと。もちろん、どこで働いていたということよりも、どのように働いていたということが重要ですが。でもアルバイトをマネジメントする教育制度だったり、業務マニュアルがない中でどう考えてお客様に最大の価値を提供するだとか、一定の成長できる環境は重要だと思います。
平賀
スタバでのこういった経験が、社会に出てこんな風に活かせると。ぜひ「Orario」のユーザーさんにインタビューして、その辺りの話を聞いてみたいですよね。ツナグ働き方研究所との共同研究として発表できたら面白い。
芳本
ぜひやりたいです。
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学生生活の履歴を就活に活かせないか

平賀
ちょっと根本的なことを聞きますね。時間割のアプリって他にもあると思うのですが、「Orario」の強みはどの部分なのですか?
芳本
他の時間割アプリとの違いは、うちのは大学の教務システムと連動していることで、そこが1番の強みです。教務システムに登録されている情報をログインして自動的に見ることができる。通常のアプリは、時間割アプリと教務システムが別物だったので。使い方としてそれぞれを使い分けるというのをひとつにしてしまったところが、ユーザーに受けているポイントだと思います。
平賀
それは便利ですね。
芳本
あとは、ユーザーさんが入学してから卒業するまでどういうことを学んだのか、そのログを取ることができます。性別や生年月日、学部などは他でも得られる情報ですが、履修や大学4年間の経過を見られるのは「Orario」だけなのかなと。
平賀
なるほど。履修ログというか学生生活の履歴が蓄積されるというのは面白い。
芳本
で、これからやっていきたいのは、どういう学生生活を送ってきた人が、社会でどう活躍しているのか。もう少し先にいけば、そこを取れるとどういうキャリアに進みたいのか、それに対して、あなたの3年先の先輩で今こういう会社で働いている人がこういう経験をしてきましたというレコメンドをできたら、すごく面白いと思っていて。
平賀
就活につなげていけると。
芳本
自分にとって本当にいい会社かどうか、学生さんはそれを判断できる軸が定まっていない。判断するための材料もまだまだ足りないですし、一つサンプルを示してあげると大きくキャリアの描き方が変わるのではないかと。
平賀
何を基準に決めていけばいいのか、学生さんにとっては非常に難しい。どれだけ徹底的に自己分析したとしても、果たして悔いのないような選択につながるのかということですよね。

ニッポンの就活における根源的問題

平賀
新卒マーケットは空前の売り手市場です。今の学生さんの就活はぶっちゃけラクなんじゃないですか。メジャーどころとか有名ブランドとかも比較的入りやすいでしょう。
芳本
銀行に行きたいという人もいますし、航空業界に行きたいという人も多いですね。そういう価値観って、育ってきた環境と親の影響がかなり大きくて。まだまだ自分の意志で判断できていないと思いますね。
平賀
学生さんのサークルや色々な団体の方と話をする機会があるのですが、そこでよく聞くのは「親の知らない会社には就職できない」と。
芳本
社会との接点が少ないので、情報源は親かメディアになるのだと思います。メディアに出ていなくても良い会社はたくさんあるし、その逆もある。そういうところにも目を向けてほしいという想いが強くて。だからこそ、そういう判断ができる学生さんが増えてほしいというのが、僕の考えですね。
平賀
BtoCでテレビCMをやっている企業は、知名度があって人気も高い。一方で、BtoBだと一般的に知名度が低く、すごくいい会社でも学生さんはなかなか見つけることができない。仮に、知られていない会社でも、自分を導いてくれそうな人がいるなら働きたいと思う学生さんっているんですか?
芳本
正直少ないですね。でも最近感動したのは、京都大学の学生さんで、超大手企業2社から内定をもらっていたのですが、そこを蹴って、知名度的には低い会社に就職したんです。何故そういう決断をしたのか尋ねたら、「大手は、会った人の考え方が古くて合わないと思った。選んだ方は、今までになかったサービスをつくっていると、会った人がみんなキラキラしていたから」と。
平賀
学生さんの判断基準って、事業内容を見て今後伸びそうとか分かるわけでもないし。右脳的というか、この人とだったら楽しく仕事ができそうとか。そういう選択肢があってもいいですよね。
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「就活メンターズ」という新サービス

芳本
さっきも言いましたけど、学生さんの企業を判断する基準ってどこまでいっても学生レベルです。社会に出たら後悔する判断も多いんじゃないかと。自信を持って3年後にここに来て良かったと思えるような判断をできるのって、正直、学生一人では絶対にできない。だから就職活動をしていく中で、第三者として客観的なアドバイスをくれる存在がいることが、学生さんにとっていちばんの価値になる。
平賀
いってみればOB訪問的な機能を果たすわけだ。そこから「就活メンターズ」というアイデアにつながっていくわけですね。
芳本
最終的に決めるのは学生さんですが、その選択肢をいちばん与えることができるのは、実際に就職活動を経験し、社会人として働いている人です。1人でやるのは何に対しても限界があるので、経験者のチカラをいかに借りるか。学生にとって自分の人生を上手くやっていくためのツールになってくれればいいなと思います。
平賀
もう少し具体的にメンターの役割について教えてください。
芳本
システム上に、○○という企業がこんな職種を募集しているというのが、一覧で表示されていて。会社のことはもちろん、給料などの諸条件が記載されています。それを閲覧したメンターさんが、自身が担当する学生さんの中で良いと思う人がいれば、推薦文をつけて企業さんに紹介するという流れです。企業さんがその学生さんの情報を見て興味を持てば、選考がスタートします。
平賀
学生さんがメンターさんを選ぶことはできるのですか?
芳本
もちろんです。システム上で、登録されているメンターさん全員の情報を見ることができ、興味がある分野や企業名などをもとに、自分に合った人を探せるようになっています。あとは、推薦成功率という数字を出し、メンターさんをスコア化しています。例えば、このメンターさんは昨年度○○という企業に内定者を2名出していると。それを見た学生さんが、この人は数値が高いからメンターをお願いしようとなる。

メンターという存在が切り拓く若者キャリアの未来

平賀
ITやデータによる数値化といったデジタル部分と、根幹のマッチングを担うメンターというアナログな部分が融合したモデルですね。マッチングの最大化ではなくマッチングの最適化が期待できる。そこがすごくいいなと。
芳本
そしてこのサービスの特徴は、メンターさん側にもしっかりとメリットがあることです。OB訪問とかってボランティアでやるのが当たり前です。しかしそれはお金をもらってもいいくらいの価値があると思うんです。この「就活メンターズ」によって、社会人の副業というスキームに乗せていけないかと。
平賀
僕は、メンターという存在が今後この日本において大きな役割をはたしていくんじゃないかと感じていて。こういう就活モデルが一般化してくると、メンターさん自身のキャリア形成にも良い影響を与える気がします。学生さんにアドバイスをする側という意識が芽生え、ポジティブにキャリアを歩むための材料にもなる。
芳本
学生さんにアドバイスをすることが、自身にとってのインプット・アウトプットにもなります。色々な気付きをもらい、キャリアを見直す機会になったという人もいますし。次に転職する際の判断軸が、学生さんへのアドバイスから生まれれば、そういう手助けもできるのかなと。
平賀
学生さんと話をしながら、自身のキャリアを棚卸しする。そこで初心に戻ったり、こっちの方がいいのかなと真剣に考えたり。キャリアに対する責任や自覚も生まれてきますよね。そういうキャリア開発装置としての期待が大きいです。

メンターへのスキル装着を共同開発しましょう!

平賀
これからメンターはどうやって集めていく予定ですか?
芳本
今のところはアナログなやり方をしていて、信頼している知人に紹介してもらい、面談した上でメンターになってもらうかどうかを決めています。紹介制にしていることで、質が担保されている面もあって、かなり上手くいっています。
平賀
今は何人くらい登録されているのですか?
芳本
300人くらいです。
平賀
やっぱり、メンターさんのクオリティこそが、このビジネスモデルの根幹になりますよね。僭越ながら、ずっと人材ビジネスに携わってきた自分が所長を務めるツナグ働き方研究所のノウハウを提供することで、メンターさんのレベルアップに貢献でき、相乗効果を生めるのかなと。
芳本
実は、メンターさんの質を上げることが1番の課題で、ノウハウを持つ企業さんと一緒にやっていくのがベストだと思っていました。
平賀
メンターさんが日本に溢れ、混沌としている就活マーケットのキーパーソンとなり、逆に輝いていく。すごく夢が広がりますし、その一助として働き方研究所の知見が活きるのであれば、こんなに素晴らしいことはないなと。
芳本
ぜひともよろしくお願い致します!
平賀
メンターへのスキル装着を共同開発して、メンターの確固たるポジションを築きましょう。それが日本の若者キャリア開発に絶対にプラスになるはずです。業務提携ははじまったばかりですが、ぜひぜひこれからよろしくお願い致します。
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芳本くんは、想像どおりにベンチャースピリットに溢れた若き起業家でした。就活することなく世に出てチャレンジする彼はしかし、同世代の若者が直面する「就活の不全感」には大きな疑問を持っていました。世界でも類を見ない発達を遂げたニッポンの新規学卒者一括採用。その功罪を指摘しあう不毛な論争ではなく、学生が本当の意味で自分に合ったキャリア、働き方と出会うためのサービスをつくっていきたい――そんな彼のストレートな想いとアイデアに激しく共感。若者のキャリアを一緒に考えていきたい!と改めて強く感じさせてくれる対談となりました。

本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナグ・ソリューションズ)担当 牧戸(まきと)
Tel:03-3569-2790
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プロフィール

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芳本 大樹(よしもと ひろき)

株式会社Orario 代表取締役CEO
1992年生まれ。立命館大学経営学部卒業。大学入学と同時に通信会社の長期インターンを開始し個人・法人向けの営業を行なう。大学2年時には、新規事業の立ち上げに携わり、インターンの採用やマネジメントを行なう。
大学3年時に当時サークルで開発していた時間割管理アプリ「Orario」を他大学でサービス化し学生起業で株式会社Orarioを立ち上げる。

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平賀 充記(ひらが あつのり)

ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。2019年よりツナグ・ソリューションズ エグゼクティブフェロー就任。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)・2月に『神採用メソッド』(かんき出版)を上梓予定。