【多様な働き方を研究するコラム】バイトテロ問題を、改めて考える

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バイトテロ、なぜ?

バイトテロ――。
飲食店やコンビニなどで働くアルバイト店員が、悪ふざけする動画を公開するという行為が次々と発生。大きな社会問題となっています。
一連の行為は到底許容されるものではなく、実際、被害を受けた飲食チェーンは、刑事、民事での法的措置の準備に入っていると報道されています。傷んだブランドへの賠償責任を問うだけでなく、今後起こりうるバイトテロの芽を摘もうとする意味あいが込められているのでしょう。

なぜ、今、若者はバイトテロに走ってしまうのか。
不適切動画の投稿が増えている背景に、SNSを使った動画投稿のメジャー化が一役買っていることは間違いありません。インスタグラムの「ストーリー」や「TikTok」といった動画SNSが、今、若者世代に流行しています。またユーチューバーが人気の職業にランクインする時代。話題になる動画ネタ探しは、いまや彼らの日常なのです。その延長にアルバイトシーンまでを範疇として捉えるのは、ある意味自然な流れなのかもしれません。

職場ではスマホをとりあげる、でいいのか?

バイトテロは、不適切な行為を行い、その行為を投稿するというように分解されます。SNSツールの普及による投稿の一般化が、テロを増加させているという先述の指摘がある一方で、不適切な行為は昔からあったという声もあります。
確かに、悪ぶった姿を世間に誇示したい若者たちは、いつの時代にも一定数います。
「盗んだバイクで走り出す?♪」とか「夜の校舎窓ガラス壊してまわった?♪」とか。
若者たちの代弁者として大きな支持を集めた尾崎豊さんのヒット曲です。
鬱屈を抱える彼らのなんらかの発露だったのでしょう。
しかし、昭和の時代は、ある意味で『バイク盗んだ止まり』であり、『窓ガラス割り止まり』でした。その様子を動画で撮影し投稿するという術がなかったわけです。

だから、勤務時間は休憩時間も含めスマホを鍵つきの金庫に入れて正社員が預かる、そうすれば物理的に撮れなくなるんだから、バイトテロ問題は解決。そういった声もあります。しかし職場の悪ふざけ投稿がなくなればよいのではなく、悪ふざけ行為自体がなくならないかぎり、本質的な解決とは言えません。

マネジメントの王道をいくしかない

先日、アルバイトの「卒業式」を行っている飲食チェーンを取材させていただきました。この春で卒業を迎え、職場を去っていく大学4年生のアルバイト店員に感謝の意を表するための催しです。
学生アルバイトが勤務する店舗の店長が、ひとりひとりに向けて書いた表彰状を読み上げ、社長自らひとりひとりと握手しながら記念品を贈る。なかでも圧巻だったのは、卒業生代表の答辞。
「前のバイト先では、カフェで応募したのにレストランに回され、未成年なのにワインのテイスティングもさせられました。13時間働くシフトに無理やり入れられたりもしました。バイトってこんなに辛いものなんだ、と思っていたけど、ここは違いました」という言葉にはじまり、仲間への感謝、企業理念への共感、店舗で一体となって頑張った取り組みについて、涙ながらもしっかりと語りました。
ここでは、バイトテロは起きないんだろうな…。彼女の言葉にそう感じました。

採用難の時代。人手不足の常態化が、職場の疲労感やモラル崩壊を助長しているのは間違いないでしょう。まさに彼女が働いていた前のバイト先がそうです。しかし彼女のスピーチにもあったように、そんなことはどこ吹く風という職場も存在します。
従業員を大切にし、働く意味や意義を語りかける。そんなマネジメントの王道を頑張ることこそが、いま最も求められているのではないか。そう確信させてくれた催しでした。

面接時にきちんと時間をかけて動機づけする・応募してくる動機に合わせて職場の魅力を語るなど、面接時から、働く「意味・意義」を問いかけることも、バイトテロ抑止につながるのではないでしょうか。
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本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)担当 牧戸(まきと)
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プロフィール

平賀充記(ひらがあつのり)

ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。2019年よりツナグ・ソリューションズ エグゼクティブフェロー就任。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)・2月に『パート・アルバイトの応募が殺到!神採用メソッド』(かんき出版)発売。