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単発、短時間、短期間で働くスポットワークの求人倍率は1.78倍
スポットワーカーの平均時給は1,115円、通常のバイト時給より13円高い
多様な働き方の調査研究機関「ツナグ働き方研究所(https://tsuna-ken.com/ 拠点:東京都千代田区/所長:平賀充記)」は、ここ数年で広がりを見せる「単発、短時間、短期間で働くスポットワーカーの市場」について、定点観測する「スポットワークマーケットデータレポート」を毎月発表していきます。本レポートでは、2022年3月度最新データについて、とりまとめましたのでご報告いたします。
1.単発、短時間、短期間で働くスポットワークの2022年3月度求人倍率は1.78倍
2.新規ワーク数は、対前年比で+76.0%。主要職種では倉庫内・軽作業が+161.8%で大きく伸長
3.スポットワーカーの平均時給は1,115円。通常のアルバイト平均時給より13円高い
〇スポットワークマーケットの定義
スポットワークとは、単発、短時間、短期間で働き「継続した雇用関係」のない働き方を指します。その中でも、雇用契約を結ばない“ギグワーク”と、単期雇用契約を結ぶ“単発バイト”の2種類に分類されます(ギグワークの代表例として、ウーバーイーツ配達員が挙げられます)。こうしたワークスタイルで働く個人、活用する企業の市場がスポットワークマーケットです。
〇マーケットの現状
個人)働き方改革による残業規制、コロナ禍による休業や勤務時間減少で、追加就労意欲が増大
企業)生産性向上観点から、ムダやムラのない=必要な時に必要な人数を配置する人件費最適化の高まり
技術)タイムリーかつオンデマンドなマッチを提供するスポットワーク求人事業者の参入
スポットワーカーは、コロナ禍を契機に急増、今後さらに広がりを見せていくことが予見されます。
〇定点観測する意義
総務省統計局の「労働力調査」では、2018年からILO基準の「未活用労働指標」を導入しました。例えば、その中にある「追加就労希望就業者」は「広義の失業者」とも言われる労働者です。現状の就労に追加してスポットで働くことは、労働者の収入安定、すなわち広義の失業率の改善につながります。一方、マクロ的に捉えると、潜在的な労働力活用は国力の向上に寄与することになります。こうした社会的意義と接続する観点から、本マーケットを定点観測し、市場規模の動向、有益なトピック、内在する課題などを可視化するデータレポートを発信していきます。
2022年3月度のスポットワーク求人倍率は1.78倍(前月比0.46ポイント増)。一方前年比(0.03ポイント増)は、求人数が前年比90.6%増と伸長。
景気の先行指標とも言われる新規ワーク数は65,139件。対前月で+31.3%、対前年で+76.0%となっています。主要職種の伸び率をみると、倉庫内・軽作業が18,968件で、昨年7,245件から(対前年+161.8%)大きな伸びを見せています。
2022年3月度のスポットワーク平均時給(首都圏・関西圏・東海圏の3大都市圏)は1,115円。前月から+28円、前年から+56円と大幅増加しました。通常のアルバイト平均時給1,102円(※リクルート発表「アルバイト・パート募集時平均時給調査」)と比較して13円高く、前月比較差(-18円)と2か月ぶりにアルバイト平均時給を上回りました。主要職種で比較すると、倉庫内・軽作業ではスポット1,164円、アルバイト1,079円と、依然スポットワークの時給が高い傾向(比較差+85円)が続いています。
単発バイト求人サイト「ショットワークス」2018年3月~2022年3月データ
総務省統計局「労働力調査( 詳細集計)2022年(令和4年)1~3月期平均」
リクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」
◆本件に関するお問い合わせ先
担当 :和田
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