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オフィスが与える就業意向の影響調査
人手不足により企業間での採用競争は激しくなり、昨今の物価のインフレ基調も相まって、賃金上昇も顕在化するとともに休日やその他条件改善も多くの企業で実施、働き方も「出社」「フルリモート」「ハイブリッド」と多様になり、オフィスの位置づけは大きく変わり続けています。
ツナググループでは数多くの支援実績から、「企業が持つ採用力」は給与・安定・休日・企業・文化・職場の6つの因子で構成されていることはわかっていました。一方で、オフィス環境が採用においてどの程度影響を及ぼすかが示されている文献はほとんどなく不明確でした。
そこで、今回オフィス環境にスポットをあて、採用における位置づけを調査することで、働き方の最適解を調査結果としてご報告いたします。
■1.83%の求職者がオフィス環境が魅力的だと志望度が上がると回答
■2.オフィス環境を重視している企業が54%であるのに対し、求職者の重視度は69%で、15%の乖離
■3.利便性、個人スペース有無を重視する人は5割以上、「多様な価値観の中で働きやすい空間」であるかどうかが重要に
企業選びにおいてオフィス環境が魅力的だと志望度が上がると回答した求職者は83%にも上りました。オフィス環境が魅力的であることが、採用の競争優位を決める1つのファクターと言えます。
また、採用形態、年代に関わらず、志望度が上がると回答した割合が高いことも明らかです。

労働環境と労働条件において、企業と求職者の間に認識の差はほとんどありませんでしたが、オフィス環境においては企業と求職者では認識の乖離が15%もあることがわかりました。
企業が想定している以上に候補者はオフィス環境を重要視していると言えます。

また、オフィス環境への注力度合いは会社規模と相関しており、従業員規模1,000名以上のエンタープライズ企業においては62%が重視していると回答している一方で、100名未満の企業は44%が重視と18%の乖離がありました。
エンタープライズ企業においては、給与だけでなく、オフィス環境で採用における競合優位性を築こうとしています。

オフィス環境の項目に着目してみると、求職者は利便性・個人スペースの有無を重視していることがわかりました。年代によって多少差はあるものの、リフレッシュスペース・オープンな空間といった「多様な価値観の中で働きやすい空間」が重視されていると言えます。

求職者と企業がオフィス環境の中で重要視している点にはギャップがあり、超売り手市場である現在は、求職者側の重要視している「利便性と個人スペースの確保」を実現することが、採用力の強化につながると言えます。このギャップの要因は、求職者の価値観の変化が大きく影響しています。

従来不透明だったオフィス環境(職場)が採用に与える影響について、今回の調査により、「企業が持つ採用力」を構成する6つの因子(給与・安定・休日・企業・文化・職場)のうち、「職場」はハード面・ソフト面の両面からアプローチが可能な採用力を引き上げる上での稀有な因子となり、競争優位性確保に向けたオプションといえることがわかりました。また、求職者と企業で重要視している点にギャップが存在することが判明したため、オフィス環境の改善余地の可能性があるといえます。
本調査で得た結果の実地調査を行うべく、採用パラダイムシフトの最前線である大阪市で検証を実施した結果、うめきたエリアに属するオフィス「グランフロント大阪」への移転は、求職者や従業員に対し、採用や定着の側面で影響を与えていることが判明しました。
また、うめきたエリアに新築となるオフィス「グラングリーン大阪」への入居決定理由を調査した結果、こちらも求職者と企業のギャップを埋める施策として入居を決めていることがわかりました。
大阪府のオフィスエリア分類を採用額観点で評価した結果、「利便性」以外の「周辺環境」「先進性」「創造性」においてうめきたエリアの数値が最も高く、合計で18.9ptという結果でした。
各エリアのビジュアル面、環境面で比較すると、ワークプレイス戦略の影響により、うめきたエリアは従来的なオフィスより圧倒的に「自然」と「集うべき場」があるため、オフィス環境の違いが明確になっています。

採用力は企業がマネジメントできる募集条件・募集手段・採用プロセスで評価する。採用リソースをx+企業の採用ブランド力をyとし、オフィス環境に与える採用力を係数αとし、今回はαを導き出す評価である。
利便性:あらゆる場所からの通勤・駅からの距離
周辺環境:周辺環境がキレイ・リラクゼーションが可能
先進性:先進の設備が設けられている・コンセプトが新しい
創造性:コミュニケーションのしやすさ・イノベーションが起きる可能性
項目1つあたり5点満点で4項目で20点満点で評価。
評点についてはコンサルタント及びツナグ働き方研究所員が評価方法と各オフィスエリアを研究・理解した上でそれぞれに評価点数をつけて、平均値とする。
※補足
賃金上昇・労働時間の減少というメガトレンドは変わらず、多くの企業で実施せざる得ない施策となっており、競合差別化がはかりづらく、例え給与を上昇させても全体給与平均が引きあがることで、想定した効果を得られるかが不透明であります。
企業ブランドや文化は短い期間で形成することは難しく、自社でコントロール・マネジメントすることも難しいです。また、安定性については色々な指標が存在しますが、「自己資本比率」「利益剰余金や手元にある現預金」「CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)」「ワーキングキャピタル(運転資金)」など財務戦略及び資本政策にも関わる為、 企業ブランドや文化同様にコントロール・マネジメントすることは難しいといえます。「職場」はハード面・ソフト面の両面からアプローチできる採用力の稀有な因子であり、コントロール・マネジメントが可能です。
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担当 :和田
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