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【派遣法・パート有期法】労政審「同一部会」が報告書、2026年に関係省令の改正要綱案 周知と準備期間を設けて施行へ
雇用形態や就業形態にかかわらない公正な待遇確保の取り組み強化に向け、労働者派遣法とパートタイム・有期雇用労働法の見直しを検討してきた労働政策審議会「同一労働同一賃金部会」は12月25日、約1年間にわたる議論の報告書を取りまとめました。報告書に盛り込まれた内容を踏まえて厚生労働省は、「同一労働同一賃金ガイドライン」を含む関係法の省令・指針に関する改正要綱案を整え、来春をメドに同部会に諮問。了承を得たうえで、企業と労働者への周知と準備期間を設けて施行にこぎ着けたい考えです。
「同一部会」は今年2月、働き方改革関連法のうち、公正な待遇の確保を盛り込んだ「パート・有期法」と「派遣法」について、20年4月の施行から5年経過したことを踏まえて議論を展開。(1)改正後のパート・有期法と派遣法の「均等・均衡待遇規定」(2)同一労働同一賃金ガイドライン(3)非正規雇用労働者に対する支援(正社員転換等のキャリアアップ、無期雇用フルタイム労働者への同一労働同一賃金ガイドラインの考え方の波及)――を軸に見直しを検討してきました。
報告書案は、(1)均等・均衡待遇(2)労働者に対する待遇に関する説明義務の改善(3)公正な評価による待遇改善の促進(4)行政による履行確保――の4本柱で構成。(1)では、<1>同一労働同一賃金ガイドラインの更なる明確化、<2>パートタイム・有期雇用労働者及び派遣労働者の意見の反映、<3>労働者派遣制度における待遇決定方式の運用改善、<4>福利厚生施設、<5>いわゆる「立証責任」――について明記。
(2)では、<1>待遇の相違の内容及び理由等について事業主及び派遣元事業主に説明を求めることができる旨の労働条件明示事項への追加、<2>待遇の相違の内容及び理由等の説明の方法――を記載。
(3)では、<1>公正な評価による待遇改善の促進、<2>情報公表の促進、<3>正社員転換支援・キャリアアップ、<4>「多様な正社員」制度の普及促進<5>無期雇用フルタイム労働者――について記述。
(4)では、制度周知や企業の取り組み支援を進めることが適当であることを盛り込みました。いずれも、現行規定を拡充した公正な待遇確保の取り組み強化につながる内容となっています。
報告書の取りまとめにあたり、労働者側委員は「働き方改革施行後5年の見直しという点では決して十分とは言えず、同一労働同一賃金の実現は道半ばだ」と指摘したうえで、「待遇の説明義務の運用改善など重要な項目が加わるなど、現場が直面している課題や疑問への対応に資する見直しが示されている」と評価しました。使用者側委員は「経営環境が大きく変化する中、企業が付加価値を最大化するためには多様な働き手の労働生産性向上を図っていかなければならない」と強調。「事業主の対応を求める多くの項目が盛り込まれており、いずれもパート有期と派遣労働者の待遇改善につながるものと考えている」と述べました。
この日で、今年2月から展開されてきた「同一部会」の審議は終了。この間、製造請負・派遣の業界団体である日本BPO協会などから現場実態のヒアリングや運用に関する要望などを聞き取り、精力的に議論を深めてきました。厚生労働省は、年明けの3月までに施行日を含む改正要綱案を公表する方針です。
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