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ツナグ働き方研究所

【店長応援企画・店長のミカタ】
テガラミル上林時久氏×ツナグ働き方研究所 所長 平賀

おもてなしの国ニッポン。その世界最高峰のサービス力を支えるのは、間違いなく、現場を仕切る店長です。日本のお家芸ともいえる「飲食業界」を牽引する主役たちが、どのように働き、どのようなキャリアを積んでいくのか。21世紀のニッポンの働き方を考える上で、この命題は非常に重要なイシューです。
オリンピック関連採用の高まりや、法改正によってますます混沌とした時代を迎えようとしている2018年の労働市場、その流れは必ずや現場で人の工面に悩む店長を直撃していくことが考えられます。年頭1回目は、昨年秋に上梓した『アルバイトが辞めない職場の作り方』の共著者上林時久氏と、著作に至った問題意識や本作のエッセンスについて、改めて語り合い、2018年職場マネジメントの在り方を考えます。
いかに「採るか」ではなく、いかに「辞めずに」働いてもらえるか

平賀

今回のテーマは、ヒトが辞めない職場作りのススメ。昨年秋に共著で上梓した『アルバイトが辞めない職場の作り方』について改めて、語り合ってみようかと。



上林

かつてないほどの採用難の時代だからこそ、いかに「採るか」ではなく、いかに「辞めずに」働いてもらえるか。この問題意識は、この2018年、より重要度を増すんじゃないかという気がしますよね。



平賀

確かに。そもそも共著を持ち掛けたのも、その問題意識でした。我々は長きに渡って求人〜採用メディアに関わってきたわけだけど、「定着」というテーマにコミットすることで、何らか、この時代に提言できることもあると思ったんですよね。



上林

そもそもなぜ辞めるのかなんですが、理由として際立っているのは「面接で感じたことと現実が違う」ということなんです。



平賀

辞める起点が、実際働く前の採用段階にあるという話ですもんね。



上林

55%の人が半年以内でアルバイトを辞めてしまうというデータがあって。さらにいろんな会社でサンプルを取っていっても、そういうことなんですよね。



平賀

入社前にどこまでちゃんと期待値調整ができているのか、だと。



上林

まさに。あるスーパーでは、面接で「何時から何時に入りたいですか?」っていう希望だけじゃなくて、「いくら稼ぎたいですか?」っていうのを聞くそうです。例えば主婦の収入は、もはや生活給ですから、絶対に自分が想定する定額以上は欲しいはずで、その最下限をまず聞く。そこからが絶妙で、「じゃあその金額は守ります。その代わり、その金額を達成するためには、希望外の時間ですが、この時間とこの時間も少しだけ出てもらえませんか」って。



平賀

後出しジャンケン的に「この時間のシフトも入ってよ」っていうんじゃなくて、最初に「このシフトにも入ってください。その代わり給与はこれだけ保証します」みたいなコミュニケーションが成立していれば、「話と違う」ということにはならないですもんね。



上林

そういうコミュニケーションができていれば、その主婦の方にとっても安心だし、収入のためにはそれくらいならと納得して働ける。だからみんな長く続いているそうです。



平賀

シフトや働く時間の作り方は、コミュニケーションが成立している上でないと、うまくいかないですよね。タイムマネジメント自体が、職場での大切なコミュニケーションだと捉えた方がいい。



上林

ある意味、武器ですよね。シフトを隙間なくうまく入れられる技には、コミュニケーションという「武器」が必要。条件面だけの押し問答になってしまうとハードな戦いになるんだけど、コミュニケーションというある種ウエットな武器が介在することで、そこに譲り合いが生まれる。



平賀

「あの時、無理に入ってもらったから、今回はここは優先してあげるよ」とか、そういう貸し借りが成立している職場は、うまく回っているところが多いですね


「言ってた話と違う」っていうギャップが大きな離職理由になるのは間違いない

上林

もちろん忙しい店長さんに、短い面接の中で全てを説明しろとはとても言えないですけどね。だけど、そうした条件面での認識の乖離は最初の段階で埋めておくべきです。「思ってた雰囲気と違う」「言ってた話と違う」っていうギャップが大きな離職理由になるのは間違いないわけで、そこを埋めるのはコミュニケーションしかないんですよね。



平賀

面接前の下見を、推進しているお店もありますよね。



上林

ありますね。某つけ麺店での採用で、「将来自分でも独立したい」みたいな人の応募は結構順調なんだけど、ホールスタッフで普通にバイトしたいっていう人も採用したいという課題があって。で、行列ができるような繁盛店なので、ランチタイムとかピークの時間に下見に来られると、「忙し過ぎる」と思われてしまうんじゃないかと。そこで、応募者には職場見学券ならぬ試食券を配って、試食を兼ねた応募という方法を試したんです。もちろんピークタイムは外して、あえてゆっくり食べてもらって感想を聞くというやり方で。狙いとしては、アイドルタイムに来てもらうことによって、働いている人も余裕のあるサービスができるから、その後の面接も和やかな雰囲気になると。



平賀

確かに、何の予備知識もないまま、最初に一番忙しい時間帯を見てしまうと、腰が引けてしまいますよね(笑)。まずは面接に来てもらうこと、そこで「いい空気」を感じてもらうことが重要だと。



上林

あともう一つ、採用が決まって、実際に職場で働いてもらう初期の段階で、応募者に「なぜ僕は採用されたのか」「私の何を評価してくれたのか」というところを、さりげなく伝えるのはとても有効だと思います。動機付けの魔法というか「自分がここにいる理由」が見つかると安心すると思うんですよね。



平賀

なるほど。「想像していたより大変な仕事だな」とか「自分には向いてないのか」と、入って2、3日目に思ったとしても、自分のこういう部分を買ってもらっているんだったら、もうちょっと頑張ってみようかなと思えるかもしれませんね。



上林

そうそう。僕のこういう部分をもっと活かせば、職場がもっと良くなるのかもしれないとか、早い段階でちゃんと「職場の仲間」であることを認識させてあげることって、実はとても大切なんです。


3年くらいずっと、採用予算も使わずに十分に人材が足りているという店舗

平賀

面接をはじめとした採用段階での細かい気配りが、スタッフの定着に寄与することを話してきましたが、ここからは入社後の職場の話に移っていきましょう。



上林

そうですね。まず一つ事例を紹介しますね。関東のパスタレストランでの事例なんですけど、この3年くらいずっと、採用予算も使わずに十分に人材が足りているという店舗が一つありまして。そこの店長が実は主婦で、何というか、存在がみんなの「おかあさん」なんですよ(笑)。実際に自分の息子もそこでバイトしてたりするんですけどね。



平賀

そのお店でスタッフが辞めない理由って何だったんですか?



上林

人前で怒らないんですよ。自分の息子にすら怒らない。母親の哲学がそこのマネジメントにも通底していて。「子どもとはいえ、みんなの前で叱っても良いことなんかない」という考え方の人で。じゃあ、どうやってマネジメントしてるのかというと、何かトラブルがあった時には、当事者を個別に呼んで、「こういうところに気付いてみてごらん」と諭すんです。これが全員に対して同じやり方で徹底している。まさに子育ての経験がそこにもしっかり活かされていて、だからこそ、一人も辞めないんですよ。



平賀

もう、家族なんですね。そこまで思えるようになったら、職場には究極の「愛着」が湧くでしょうね。



上林

相手のことをちゃんと尊重する家族ですね。だからみんな安心して働けるんです。


アルバイト・パートは「辞めてしまったら、また採用すればいい」という考えが、どこか根底にあって

平賀

家族というと、日本型メンバーシップ雇用みたいな話にもなるけど、それはやはり正社員の領域なんですよね。アルバイトやパートの場合は、ある一定期間働いてくれればいいというか、その労働力を「フロー」としか捉えていない企業や人事担当者が、まだまだ多いなと感じるんですよね。そういう空気って、もちろんスタッフ側にも伝わるもので、「そうだよね、私たちどうせ社員じゃないしね」みたいな気持ちを生むのは非常にマイナスだと思うんです。



上林

おっしゃる通り。



平賀

家族のようなコミュニケーションって「フロー」ではなく「ストック」の発想ですよね。だって家族は入れ替えが利かないですよね。だから一般的には「フロー」だと思われている労働力が、実は「ストック」として扱われている職場は、定着するんでしょうね。



上林

そうですね。もっと簡単に言うと、アルバイト・パートは「辞めてしまったら、また採用すればいい」という考えが、どこか根底にあって。もちろん我々は、そこで「じゃあ求人広告を出しましょう」「応募の件数を増やして求める人材を採用しましょう」という企業へのアドバイスもたくさんしてきたわけだけど(笑)。



平賀

辞めない仲間を作っていくという意識が本当に重要になってきている。



上林

そう。しかしその「人材の定着」という部分にコストを掛けるという考え方がなかなか定着しないのは、現場を知らない本部の理解のなさが一つの要因だと思うんです。



平賀

教育なり研修なり、企業がスタッフを大切にするようなコミュニケーションはとても大事なのに、「フロー」と捉えられているアルバイトには、そういったケアも少ない。



上林

結果的には、定着にお金を掛けた方が合理的なんですけどね。



平賀

「正規」と「非正規」とで、人的投資に対して明確に線引きして、対応を変えるということは、時代の流れとは大きなズレを感じますよね。


辞めない職場を作る根底は、一個人と向き合ったコミュニケーションが不可欠

上林

こうやって話していると、やはり重要なのは「コミュニケーション」というキーワードなんだと気付かされますね。



平賀

我々は長い間、採用コミュニケーションは磨いてきたわけですが。



上林

そうなんですよね。求人広告でどんな言葉を使うか、どんな写真を見せるか、何を訴え掛けるか、というリクルーティング段階のコミュニケーションに関しては、リクルート時代、僕も平賀さんも非常にたくさんの経験とデータで、多くの企業に提案をしてきました。



平賀

どれだけ応募者の心をつかむか、というところにとても注力していた時代でした。ただ、そこから先の「スタッフの定着」というところまでは、地続きで捉え切れていなかったというのも正直なところ。



上林

働くスタッフが職場で認めてもらっているという安心感や、その愛着があってこそ「お店をもっと良くしたい」「自分の力で良くしたい」と思えるようになるには、さまざまな場面での店長とアルバイター、人事担当者と現場スタッフとのコミュニケーションが重要ですから。働き始めたばかりのスタッフが、どうやって少しでも早く自分の仕事にやりがいを持てるかどうか──今後はそこに、店長や企業の本部が手間もコストも掛けていかなければ、安定した採用は望めないと思います。



平賀

良い採用、そして辞めない職場を作る好循環の根底には、属性や雇用形態に関係なく、一個人と向き合ったコミュニケーションが不可欠な時代ですよね。これから我々は、そのコミュニケーションがより円滑に回るように、そして日本のサービス業がより良くなるように、さまざまな取材、研究、考察を続けていきたいですね。本日はありがとうございました。


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株式会社テガラミル

◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
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