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ツナグ働き方研究所

史上空前の人不足! もはや「辞めさせずに育てる」の実践しかない!
グローイング・アカデミー 有本均氏

空前の人不足に喘ぐ日本。働きたい人ひとりにいくつの仕事があるかを示す有効求人倍率はバブル期をはるかに凌ぐ。中でもサービス業の採用難は深刻で、飲食店のホールスタッフに至っては1人の応募者を7店舗で奪い合う時代だ。もはや採用ではなく現有従業員の離職を防ぎ戦力化することに心血を注ぐべきフェーズなのだ。
今回インタビューさせていただいたのは、サービス業界に特化した研修サービス「グローイング・アカデミー」。学長の有本均氏は、マクドナルドの「ハンバーガー大学」とユニクロの「ユニクロ大学」において社員教育に取り組んだ人材育成のスペシャリストだ。彼はこれまでの経験から得たすべてのノウハウを融合、発展させ、独自の人材育成システムを開発した。
どうしたら人が辞めずに活躍し続けられるのか。空前の人不足だからこそ重要度を増す従業員教育について、お話を伺った。
◆人生を凝縮して生まれたグローイング・アカデミー

平賀

有本さんは、「マクドナルド」と「ユニクロ」というサービス業を代表する2社で、人材育成に携わってこられました。そしてその経験を「グローイング・アカデミー」の研修システムに昇華されたわけですが、そもそも人材育成の道に入っていったのは、どのようなきっかけからなんですか。



有本

なんといっても、マクドナルドでの店長時代が原体験ですね。20代の半ばに店長になって8年間務めていたんですが、最初は全然ダメでした(苦笑)。自分が想い描くマックと現実のマックにギャップがあって。理想的なマックは、マニュアル通りの完璧なオペレーションで、すごく明るく挨拶をするようなお店。だけど全然そういうワケにはいかないんですよ。だからイライラして。すぐに怒るヤツだったんですよ。悪気はないけど、アルバイトの女の子を泣かしちゃったり。



平賀

明るいお店というよりギスギスしたお店になっちゃいますね。



有本

そうなんです。だんだん人が辞めてって。新人だけじゃなく慣れ親しんだベテランも辞めていったんですよね。でもそれが自分のせいだとは、最初は気づかなかった。



平賀

どのあたりで気づいたんですか?



有本

ハンバーガー大学の研修です。「アルバイトさんたちに感謝していますか?」「普段アルバイトさんを褒めていますか?」という講師からの問いかけがあったんです。そこで初めて自分がアルバイトに感謝もしていなければ、褒めてもいないことに気づいたんです。ハッとしました。言ってみれば自分の失敗体験から人材育成の重要性に気づかされたと言いますか。私にとって一番の成長の糧となったものは、間違いなくこのマクドナルドの「研修」でした。



平賀

やはりOJTだけでは難しいんですね。座学も含めた「システムとしての教育」の重要性を、身を持って実感したからこそ、ご自身がその「ハンバーガー大学」の学長になられたんですよね。



有本

おっしゃるとおり。このダメ店長時代のエピソードは、自分の講座でもよく話します。説得力が増しますから(笑)。



平賀

ハンバーガー大学という存在からも、マックが「教育」を大事にしていることは理解できます。人材育成において、他にマックの特徴的なところってありましたか。



有本

マックは「評価」がしっかりしていましたね。今でも評価制度をつくるコンサルティングをする時に話しているのが、会社が求めていることが評価表にしっかり反映されているかどうか。そして、それが現場を仕切る店長にはっきりと認識されているか。これがすごく大切なんですが、マックはこういった評価の仕組みがちゃんとできていました。



平賀

なるほど。マクドナルド時代の経験が「教育」と「評価」を大事にしようという「グローイング・アカデミー」のコンセプトに直結しているんですね。その後ユニクロの柳井さんに請われて、ユニクロでも教育責任者としてご活躍されました。



有本

ユニクロは実は3年くらいしか在籍してなかったのですが、自分の中では凝縮された濃密な時間でした。アルバイトの新人教育の仕組みと評価制度の導入を経験させてもらいましたが、すごく勉強になりましたね。ものすごく感謝しています。



平賀

どのような制度を導入されたんですか?



有本

アルバイトの新人教育に関しては、すごく一生懸命教える会社でした。ただその分、ものすごい情報量が入ってくることになってしまう。それを当時のユニクロは全部メモして、と新人に要求していたんです。でもこれは新人には耐えられないんじゃないかと。で、なるべくメモをしないですむように、新人が約1ヶ月間で覚えなければならない情報量をあらかじめまとめてハンドブック化しよう、と提案したんです。でもユニクロはメモする文化だ!と大反対されました。その時のことは今でも忘れられないですね。



平賀

まさに企業文化というか。



有本

こっちも、そんな文化は捨てませんか!みたいなことを言って。そんなバトルがありました。ただユニクロがすごいのは、実際に導入しようと決まったらやりきるところ。徹底してましたからね。その後、リーダーたちと何回も話して制度を作り上げて、全国行脚しました。店長会議で店長・エリアマネージャーを対象にして。800人くらいいたと思います。私がユニクロに一番感銘を受けたのは、その徹底ぶりですね。


◆グローイング・サイクルというコンセプト

平賀

マクドナルドとユニクロという2社を経験されて、共通する部分であったりとか、対照的な部分であったりというのは、どんなところですか?



有本

企業のDNAこそ違えど、共通しているのはQSCの圧倒的なパワーです。それを支えているのが、人材育成のパワーなんです。突き詰めれば大事にしていることは同じというか。その2社でやっていたことを細かく洗い出して、分かりやすくするために整理した結果、4つの行動がサイクルとしてぐるぐる回っている。これが普遍的な「教育」と「評価」の仕組みなんです。



平賀

それが「グローイング・サイクル」なんですね。



有本

はい。まずは「基準を示す」。経営理念やマニュアルなどスタッフへしっかりと伝えるということですね。その次に「教える」。文字通りOJTや研修です。そして「要求する」。しっかりと教えたことを要求しているかどうか。最後に「評価する」。知識ではなく、行動そのものや成果をしっかりと評価すること。私は、これら4つの指針を回すことが人を育て、そしてゆくゆくは企業の業績に繋がっていくと考えています。



平賀

人が育つことが顧客満足を向上させ、企業の収益に貢献するという「グローイング・ピラミッド」の概念ですね。


有本 そうです。企業が人の育成に投資をするのは情緒的な話ではなく、最終的に「利益を獲得するため」に他ならないわけです。店舗ビジネスにおいて、利益、売上を上げるためには顧客満足が不可欠であり、それは「人によってしか」向上しない。接客をするのも人。店舗スタッフをマネジメントするのも人。業種によっては商品・サービスそのものが「人による提供」です。しっかりとした人の育成なくして、長期的な企業の発展はありませんから。


◆講師は100%サービス業経験者

平賀

サービス業界に特化した講座を提供する企業は、非常に稀有な存在だと思うんですが、どのような講座をご提供されているんでしょうか。



有本

当社の講座は、先ほども紹介した「グローイング・サイクル」というコンセプトが根底にあります。このサイクルをお客様企業へ理解して頂いたうえで、「新人向けの講座」や「店長向けのリーダーシップ講座」「コミュニケーション講座」など、約100種類の講座を階層別で提供しています。「モチベーション」や「ホスピタリティ」「接客の基礎」などの新人向けの講座、「チームビルディング」「店舗管理」をレクチャーする店長向けの講座など、大手ビッグチェーンをはじめ、中小規模のお客様企業にも広く受講して頂いています。



平賀

正直なところ、講座を受ける側にとっては、研修ってめんどくさいと思う人も少なくないんじゃないかと思うんですが、実際どうなんでしょうか?



有本

だからこそ、重要なのは「誰が教えるか」なんです。経験したことのない人の話って、何を言われても聞く気がしないんです。当社の講師たちは全員がサービス業界での現場経験がある者だけで構成されています。



平賀

説得力が大きな武器になっているということなんですね。



有本

その他にも、学習効果を高めるためにいくつか取り組んでいることがあります。短い時間の中でロープレやディスカッション、話に引きつけるためのゲームを盛り込んだりしています。また、「グローイング・モバイル」というサービスではモバイルアプリでクイズ形式の教育も行っており、サービス業に必要な知識が詰まった問題集が、全部で約3000問あるんです。社内でランキングを発表することもできますし、全国の受講者の中でのランキングもあったり。



平賀

なるほど。受講者が興味を持ちやすくなるエンタメっぽい仕掛けが散りばめられているんですね。



有本

グローイング・アカデミーは、今は1講座3時間なんですが10月からは2時間になります。やっぱり受けやすいということがいちばんですから。だから今、クオリティを下げずに講座を短縮する作業に取り組んでいます。


◆ITで多忙なスタッフの受講を促す

平賀

確かに。忙しいサービス業従事者にとっては、受講する時間の捻出も容易ではないですからね。



有本

ネット環境があれば当社の講座を受講できるオンデマンドサービスも提供しています。もちろん、教室での講座とオンデマンド講座を組み合わせることも可能です。オンデマンド講座も、3時間から2時間へ短縮するよう今研究中です。



平賀

いわゆるeラーニングですね。テクノロジーは積極的に活用していく予定ですか。



有本

はい。受講管理システムをリニューアルし、「グローイング・サポートシステム」をリリースします。このシステムでは、研修計画の設定から、受講・行動目標の設定・評価までをシステムで一貫でサポートすることによりグローイング・サイクルを回すことができるだけではなく、教育担当者の負担の軽減や受講生のスキルアップやモチベーション向上に繋げていきます。また、受講者に問題を解答してもらって、その方の強み弱みによって推奨講座が自動的に設定されるというシステムも構築中です。スタッフたちの受講データをベースに、企業内分析が行えるような仕組みも構想しています。



平賀

なるほど。個人のビルドアップだけでなく企業へのコンサルティングに繋がっていくんですね。さて、ここまでいろいろとお話をおうかがいしてきました。改めて最後に有本さんからメッセージをお願いしたいのですが。



有本

当社に寄せられるお客様の悩み事は、今100%人不足に関するものです。そもそも我々は「辞めさせずに育てる」を根幹にサービスを提供してきたわけですが、その問題意識がサービス業の経営層にとって、すごく切実になってきています。離職率を下げる。定着率を上げる。そのためには、やはり「教育」と「評価」の仕組みなんです。お客様のグローイング・サイクルを回すお手伝いをすることで、人的課題を解決する一助になれればと思っています。



平賀

辞めさせずに育てるためには教育と評価。非常に分かりやすく理解できました。本日はありがとうございました。



有本さんのお話からも、空前の人不足は、サービス業に否応なく「辞めさせずに育てる」意識を植え付けているようだ。そして従業員の定着には「教育」と「評価」が極めて重要であることを、有本さんはご自身の経験をベースに繰り返し語ってくれた。

「基準を示す」「教える」「要求する」「評価する」。この4指針を回すことが人を育て、そしてゆくゆくは企業の業績に繋がっていく。こうした本質的人材育成の重要性は頭ではわかっていても、労働集約の極みであるサービス業においては、どうしても後回しになりがちだ。しかし「辞めたらまた採ればいい」時代はもう終わったのだ。人不足を解消するためには、遠回りに見えるかもしれないが、「辞めさせずに育てる」の実践に舵を切るしかない。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
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