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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】絶滅の危機に瀕するファーストペンギン

ベンチャースピリットの象徴

今クールの新作ドラマも出揃ってきましたが、タイトルでビビッときたのが「ファーストペンギン!」です。


ファーストペンギンとは「集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ一羽のペンギン」を指します。


ビジネスの世界で、今まで誰も足を踏み入れたことのない領域で勝負するベンチャー企業やイノベーションを起こすプロフェッショナル。勇敢な最初の一羽のペンギンのように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主。そんなビジネスパーソンを、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼ぶようになりました。


ドラマも、そのタイトルが表すように、シングルマザーが漁業という未知の業界に身一つで飛び込み新しいビジネスを成功させていく物語です。さまざまな慣習が支配する男社会の中で、降りかかる難題を必死で解決しながらビジネスを軌道に乗せていきます。


調べてみたら実話なんですね、これ。『ファーストペンギン シングルマザーと漁師たちが挑んだ船団丸の奇跡』という原作本も10月に出版され、話題を呼んでいるようです。


失敗することへの絶対的恐怖

多くの人は、周りの状況を見てから後出しジャンケンのように行動をします。これはペンギン界だけではなく人間界も一緒です。だからこそ夢に向かってチャレンジする起業家が希少だったりします。彼らはリスクと引き換えに大きな利益を得ることが可能だと考えています。


職場でも、失敗を恐れることなく積極的に提案する、あるいは行動する従業員は貴重です。しかし、残念ながらこうした職場のファーストペンギンは、職場ではどんどん少なくなっているように思いませんか。特に、最近の若手は極端に失敗を恐れる傾向が強い。こう嘆くオトナ世代は少なくありません。


「やってみて失敗しないと分からない。成長できるからまずはやってみろ!」。失敗から学ぶものがあることを経験則として知っていても、オトナ世代のこんな舌足らずな説明だと、「いやいや、前もって失敗するって分かってて、なんでやらないといけないんですか。それってイジメじゃないですか」などと脳内でつぶやく若者が目に浮かびます。オトナの思いは残念ながら、若手にはまったく届きません。


周りの目が気になりすぎ

なぜ、今どきの若者が失敗を恐れるのか。


ステレオタイプな世代論に終始するつもりはありませんが、やはりSNSの影響は無視できないでしょう。衆人環視のオンライン空間を住処(すみか)とするソーシャルネイティブな彼らは、絶えず人の顔色をうかがっています。


そうした慣習が身についていると、職場でも常に誰かに見られているリスクを念頭に置いて行動することになります。そんな中で失敗したら元も子もない。異常に周囲の評価を気にする若手からすると、リスクをとるからこそ利益を得られると言われても、そのリスクが大きすぎるのです。 


では、なぜ周りの状況を気にしすぎて行動ができないのか。


その本質は“自分に自信が無いから”に他なりません。常に他人のキラキラ投稿と比較しながら日々を過ごしている今どきの若者。彼らの自己肯定感は低めです。


そんな自分に自信が無い若者がファーストペンギンになるための処方箋は、実は「ノリ」だったりします。彼ら自身も良く使うフレーズのノリとは、何となく面白そうだ!という感覚的なものです。


ファーストペンギンを養殖せよ

つまり面白そうだとかワクワクするという好奇心に身を任せて飛び込む。最初は何となく面白そうだというノリから行動していくうちに、リスクの取り方がわかってくるようになる。そうすると自分に自信をついていく。こうした好循環が理想です。


そのために有効なサポートがあります。新入社員が上司に期待することを調べたある調査によると、その1位は「的確な指示を出してくれること」でした。失敗してもいいから挑戦せよと丸投げするのではなく、少し具体的な指示や情報をインプットしながら、挑戦する気持ちを高めていくのです。言ってみれば、子どもが自転車に乗る練習をする時に後輪に付ける補助輪です。


仕事の補助輪、ビジネスの世界だと、意外と付いてないこと多いですよ。こうしたサポートこそが、いわゆる「心理的安全性」の提供に他なりません。


天然モノのファーストペンギンがいないなら、ファーストペンギンを養殖する。若手ペンギンのチャレンジを促すべく、要所要所で少しだけでも手を差し伸べていく。こうしたコミュニケーションが令和風かもしれません。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
 ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。