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【2025年3月度】短時間・単発で働くスポットワークの求人倍率は2.49倍
多様な働き方の調査研究機関「ツナグ働き方研究所( https://tsuna-ken.com/ 拠点:東京都中央区/所長:大野博司)」は、ここ数年で広がりを見せる「短時間・単発で働くスポットワーカーの市場」について定点観測する「スポットワークマーケットデータレポート」を毎月発表しています。
本レポートでは、2025年3月度最新データについて、とりまとめましたのでご報告いたします。
1.スポットワークの求人倍率は2.49倍。前年同月差+1.01ポイントと大幅な伸び
2.新規ワーク数は69,824件で、前年同月比-15.9%と6か月連続で前年を下回る
3.スポットワーカーの平均賃金は1,312円。2か月連続で1300円を超え、過去最高額を更新
2025年3月度のスポットワーク求人倍率は2.49倍。2月度より1.05ポイント上昇し、季節トレンドどおり前月を大幅に上回る結果となりました。前月同月差でみると+1.01ポイントと10か月連続で上昇しています。

新規ワーク数は69,824件で、前年同月比-15.9%と6か月連続で前年を下回っています。主要3職種の全職種が前年同月比でマイナスとなっておりますが、特に運送・ドライバーの新規ワーク数が前年同月比-44.4%と著しく低下しました。

2025年3月度のスポットワーク平均賃金は1,312円。前月差+10円、前年差+151円となりました。2月度に初めて1300円を超え、2か月連続で過去最高額を更新しました。通常のアルバイト平均賃金は1,254円で(※リクルート発表「アルバイト・パート募集時平均時給調査」)、スポットワーク平均賃金との比較では、スポットワークが58円高いという結果になっています。
主要3職種で最も賃金が高いのは、倉庫内・軽作業で1,308円となりました。

〇スポットワークマーケットの定義
スポットワークとは、短時間・単発で働く「継続した雇用関係」のない働き方を指します。その中でも、雇用契約を結ばない“ギグワーク”と、単期雇用契約を結ぶ“単発バイト”の2種類に分類されます(ギグワークの代表例として、ウーバーイーツ配達員が挙げられます)。こうしたワークスタイルで働く個人、活用する企業の市場がスポットワークマーケットです。
〇マーケットの現状
個人)働き方改革による残業規制、コロナ禍による休業や勤務時間減少で、追加就労意欲が増大
企業)生産性向上観点から、ムダやムラのない=必要な時に必要な人数を配置する人件費最適化の高まり
技術)タイムリーかつオンデマンドなマッチを提供するスポットワーク求人事業者の参入
スポットワーカーは、コロナ禍を契機に急増、今後さらに広がりを見せていくことが予見されます。
〇定点観測する意義
総務省統計局の「労働力調査」では、2018年からILO基準の「未活用労働指標」を導入しました。例えば、その中にある「追加就労希望就業者」は「広義の失業者」とも言われる労働者です。現状の就労に追加してスポットで働くことは、労働者の収入安定、すなわち広義の失業率の改善につながります。一方、マクロ的に捉えると、潜在的な労働力活用は国力の向上に寄与することになります。こうした社会的意義と接続する観点から、本マーケットを定点観測し、市場規模の動向、有益なトピック、内在する課題などを可視化するデータレポートを発信しています。
単発バイト求人サイト「ショットワークス」2021年3月~2025年3月データ
総務省統計局「労働力調査( 詳細集計)2025年(令和7年)1~3月期平均」
リクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」
◆本件に関するお問い合わせ先
担当 :和田
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