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ツナグ働き方研究所

01 RESEARCH REPORT2024.01.29

  • 調査/研究

    職場の身だしなみ規制を緩和し、人材確保につなげる企業増加 【2024年超人手不足時代の多様な働き方調査①】職場の身だしなみ調査

    多様な働き方の調査研究機関「ツナグ働き方研究所(拠点:東京都千代田区/所長:平賀充記)」は、多くの企業や職場が深刻な超人手不足時代に悩む中、労働者の働き方にどのような変化が現れるのかを浮き彫りにすべく、「2024年超人手不足の多様な働き方調査」を定期的に行っていきます。
    その第一弾として着目したのが「職場の身だしなみ」。昨秋、回転寿司チェーン「スシロー」が店舗従業員の身だしなみ規定を緩和すると発表し、ニュースとなりました。自由な髪色などを認め人材確保につなげようとする企業の苦肉の策です。この兆しはもっと広がりを見せるのか、あるいは限定的なのか。そこで、アルバイトとして働く全国の16~64歳4,000人を対象に「職場の身だしなみ調査」を実施、調査結果としてとりまとめましたので、ご報告いたします。
    < 調査結果 トピックス >
    1.職場において、なんらかの指定や決まりがあるのは44.9%と半数に迫る勢い
    2.ここ最近で身だしなみ自由度が増した割合は1割を超え、規制緩和が進む
    3.身だしなみ緩和するだけでなく給与を上げる業界が大半!人材確保への取り組み進む
    1.職場において、なんらかの指定や決まりがあるのは44.9%と半数に迫る勢い

    「今のアルバイト先で身だしなみについて決まりはありますか?」という質問に対し、「ネイル禁止」、「髭禁止」、「髪色指定」など、なんらかの身だしなみ規制があるという回答は44.9%と、約半分弱に及んでいます。


    業種別でみると、コンビニエンスストア、スーパー、アパレルといった「販売・接客の職場」においては60.9%。ファミリーレストラン、ファーストフード、回転寿司などの「飲食業の職場」においては65.3%と、お客様に対面する職場においては、なんらかの規制があるとの回答が6割を超えています。さらに細かく業界別までみると、最も規制が多い業界は回転寿司(89.5%)、次いでファストフード(83.3%)と、全体平均の倍を超える結果となっています。コロナ禍において飲食業界では、厳重な感染防止対策が求められました。身だしなみをより規制せざるをえないという力学が働いたことが、このスコアの一因となっているのでしょう。


    一方、倉庫内作業、製造・組立、警備など、いわゆる「現場系の職場」では33.9%。人と接することが少ない職場において、身だしなみ規制は少ない結果となっています。


    2.ここ最近で身だしなみ自由度が増した割合は1割を超え、規制緩和が進む

    「この一年でアルバイト先の身だしなみルールに変化はありましたか?」という質問に対して、「身だしなみの自由度が増した」という回答は10.7%でした。「変わっていない」という回答が8割強で最も多いものの、むしろ1割強の職場において、ここ最近で身だしなみの規制緩和が進んでいるというのは想像以上の結果です。


    全体的な傾向としては、身だしなみの規制が多かった業種において規制緩和が進むという“揺り戻し現象”が見てとれます。業種別でみると、「販売・接客の職場」において「自由度が増した」との回答は16.3%、「飲食業の職場」においては15.1%と、全体平均よりも高くなっています。


    業界別にみると、特に規制緩和が進んでいるのは、スシローに代表される回転寿司(41.2%)、次いでアパレル(36.8%)となっています。回転寿司=先述のように身だしなみ規制が最も厳しかったこともあり他業界に歩調を合わせる、アパレル=自ブランドにフィットした身だしなみを求める方向から働き手の個性を尊重する方向へと転換、というように身だしなみ規制緩和の目的は違うものの、その背景には人手不足という共通の悩みがあります。


    3.身だしなみ緩和するだけでなく給与を上げる業界が大半!人材確保への取り組み進む

    身だしなみ規制緩和の動きが人材確保策であるという仮説に立った時に気になるのは、もっと手っ取り早い人材確保の手段である給与引き上げの状況です。そこで、身だしなみ規制緩和状況×時給アップ状況の相関性について考察しました。(時給アップ状況はリクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を用いて、身だしなみ規制緩和状況は今回の調査結果を用いて分析)。やはり人手不足感が色濃い「販売・接客」「飲食」の職場では、身だしなみ規制緩和が進んでいるだけでなく、時給アップ傾向も顕著に見てとれます。


    時給増の基準値を4.8%増(※1)、身だしなみ自由度増の基準値を20.7%増(※2)として業界別にプロットすると、時給アップ派はファーストフード(時給6.6%増/自由度14.3%増)、身だしなみ緩和派はスシローに代表される回転寿司(ホール時給4.4%増、調理時給4.6%増/自由度41.2%増)とアパレル(時給5.5%増/自由度36.8%増)、バランス派は居酒屋(ホール時給4.4%増、調理時給4.6%増/自由度23.8%増)、ファミリーレストラン(ホール時給4.4%増、調理時給4.6%増/自由度20.6%増)という結果でした。ちなみにコンビニエンスストアは時給4.4%増/自由度17.1%増と、時給アップ、身だしなみ緩和双方とも小幅な動きとなっています。最低賃金ギリギリで人件費をコントロールしている店舗も多い→時給を上げる限界アリ、制服での勤務→身だしなみの自由化にも限界アリ、といった業界の特性からも手が打ちにくい環境のようです。しかし、他業界が人材確保取り組みを強化する昨今を鑑みると、コンビニエンスストアの採用競争力低下が懸念されます。


     


    (※1)リクルート「アルバイト・パート募集時平均時給調査」での時給平均1.8%増を荷重して算出。引用は2023年9月データ。10月の平均賃金見直し影響を受ける前の実績を反映。


    (※2)本調査における「身だしなみの自由度が増した(10.7%増)」に「販売・接客」「飲食」に絞って荷重かけて算出。


    調査概要

    調査期間:2023年11月7日~2023年11月15日


    調査対象:アルバイトで働く16~64歳4,000人


    調査方法:インターネットによるアンケート


    有効回答:4,000人(男性1,278人・女性2,722人)


    ◆本件に関するお問い合わせ先

    ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
    担当 :和田
     ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。