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ツナグ働き方研究所

03 COLUMN2021.05.20

  • コラム

    【多様な働き方を研究するコラム】WEB面接だと選考が難しい!は大間違い

    早くも4割が内定

    4月に入り、就活戦線はより佳境に入ってきました。人材サービスのディスコが実施した調査によると、4月1日時点での内定率は、前年同期(34.7%)を3.5ポイント上回る38.2%で、理系は4割を超えています。


    就活の早期化がさらに進んだこと、コロナ禍での採用活動が2周目に入り昨年より混乱が少ないこと。こうしたことが学生の内定獲得を押し上げています。


    一方で就職先を決めて就職活動を終了した学生は全体の9.9%に留まり、多くが現在も就職活動を継続している模様です。本命企業の面接はまだまだこれからという学生も少なくないでしょうが、“内定をもらったのに就活を続ける”という現象は、コロナ禍における就活戦線のひとつの特徴といえます。その大きな要因がWeb面接の普及です。ディスコの同調査によると、面接経験者のうち「Web面接」を経験した学生は、93.9%にのぼります。ちなみに「対面面接」の割合は54.2%です。


    伝達感と伝達度

    Web面接だと、なぜ就活が終わらないのか。かなり飛躍した話のようにも聞こえますが、学生からは「オンラインだとこの企業に絶対入りたい!という確信を持ちにくい」という声をよく耳にします。


    企業を選択する基準を「人」や「カルチャー」に求めがちな学生が、オンラインだけでは判断しにくいという心情も確かに理解できます。しかしそれだけではありません。実は企業側の選考へのモヤモヤ感が、学生の確信の持てなさ拍車をかけているのです。


    これは情報伝達の研究から説明できます。情報伝達には、実際に伝わった「伝達度」と、自分の情報が相手に伝わったと感じる「伝達感」という感覚が存在します。人の脳は、伝達感の方を重視するようにできていて、この伝達感は対面の方が得られるのです。つまり人は、どうしても対面コミュニケーションのほうに手ごたえを感じてしまうのです。


     「学生に伝わった感を感じづらい」「学生の発言を理解できた感を感じづらい」という面接官のモヤモヤが生じてしまうのはこのためです。面接官がピンときていない感じが、学生にも伝播し、学生は学生で実力を発揮できたという自己効力感が得にくくなります。実力を出せていないと感じる状況でもらった内定だと、手放しで喜べない。確信が持てない。こうした負のループが回っているのです。


    非言語的手がかりの功罪

    では、やはり面接は対面で行うほうがよいのか。確かにモニターを通しての面接では、候補者の表情や目線、緊張の度合いといった「非言語的手がかり」が減少してしまいます。対面面接よりも圧倒的にやりにくい、とうのが面接官の本音でしょう。


    しかし、非言語的手がかりが得やすい対面面接のほうが見極めの精度が高いかというと、実はそうでもありません。例えば、話の内容は同じでも、明るく振る舞う場合とそうでない場合、“明るく振る舞う”という非言語的手がかりによって、評価されやすくなることがわかっています。残念なことに、対面面接では非言語的手がかりによって無意識にバイアスが発生しがちなのです。


    一方、Web面接では非言語的手がかりが減ることでバイアスが軽減され、候補者が話す言葉の中身にフォーカスできるようになります。現に、Web面接での評価は仕事のパフォーマンスや定着と正の相関があると言う研究結果もあります。非言語的手がかりが足りないことで見極めが難しいと感じがちなWeb面接のほうが、バイアスに振り回されることなく、むしろ妥当な見極めができる。実は、アカデミックなコミュニケーション研究では、こうした理解のほうが主流なのです。


     


    構造化面接のすすめ

    こうしたWeb面接の特徴を生かしたうえで面接の質をあげるには、“面接を構造化”することです。構造化とは、面接のやり方や質問内容、評価の基準などをあらかじめ設定するというものです。一言で言えば、採用面接をしっかりマニュアル化することです。


    対面面接が主流だった頃は、この構造化面接の導入はあまり進みませんでした。あまりガチガチにマニュアル化されると面接自体が盛り上がりません。バイアスとなるリスクがあっても、その場のノリが面接官にとっては重要な判断材料だったのです。


    Web面接では、会話のキャッチボールがしづらく、そもそも盛り上がりは期待できません。候補者の話の腰をおらず、質問したいことはメモなどをして覚えておき、相手が話し終えてから質問をする。やや淡々としてしまいますが、こうした進め方をマニュアルに組み込むことで、面接官と学生双方のコミュニケーション納得度が向上するはずです。


    そもそも面接の選考については、直感的すぎたり、面接官のばらつきだったりと、見極めに関する課題が指摘されていました。構造化したWeb面接のスタイルを確立できれば、いままでの常識を覆せる好機となるはず。面接力のアップデート、今ならまだ間に合います。


    ◆本件に関するお問い合わせ先

    ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
    担当 :和田
     ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。