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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】アルバイト版・ゆとりですがなにか…

今回はツナグ働き方研究所所長の平賀より、「ゆとり世代」の仕事観について、研究所で調査した結果と合わせてお話いたします。
■「ゆとり世代」の仕事観

ゆとりですがなにか――

タイトルからも一目瞭然、「ゆとり世代」を描いた新ドラマがスタートしました。脚本があのクドカンさんであることからも、なかなか期待の持てるドラマだと思われます。主人公の岡田将生さんや松坂桃李さんは1987年生まれの29歳で、いわゆるゆとり第一世代と言われるジェネレーションに属する設定です。


そもそもゆとり世代とは、2002年度以降(※小中学校においては2002年度以降、高等学校においては2003年度以降)に施行された学習指導要領を受けた世代、すなわち1987年4月以降に生まれた世代を指します。広義では 2004年3月生まれまで、狭義では1987~1996年3月生まれまでとする説もあります。こここから完全週5日制がスタートし、授業のカリキュラムが削減され、 円周率が3と教えられ、相対評価から絶対評価に切り替わりました。


そんな彼らは、高校時代には学校が休みの土日には塾通い余儀なくされ、大学3年生にリーマンショックでいきなり就職氷河期、入社1年目の3月に東日本大震災、「みんな違ってみんな素敵」と教えられてきたはずが、気がつけば優勝劣敗の競争社会を生き抜く世代。 ドラマでも「ゆとり感じたこと一度もねーわ!」というセリフが飛び出す 皮肉な世代とも言えます。そんな、彼らは「野心がない」「競争意識がない」「協調性がない」という価値観でくくられています。


■職場コミュニケーション調査にみる「ゆとり度」

実際のゆとり世代の仕事観はどうなんでしょうか。我々、ツナグ働き方研究所が実施した「職場コミュニケーション調査2016」から、その傾向を分析してみました。


例えば、「野心がない」という価値観に呼応する「パートリーダーへの任命はアリかナシか?」という質問項目において、10~20代(=ゆとり世代)と30代を比較してみました。アリと回答した割合は10~20代で45.3%で、30代で51.7%。確かにゆとり世代になると6.4ポイント低下します。


また「競争意識がない」に呼応する「個人の目標設定はアリかナシか?」という質問項目において、アリと回答した割合は10~20代で51.4%で、30代で55.1%。こちらもゆとり世代になると3.7ポイント低下します。


一方「協調性がない」に呼応する「休日の交流や忘年会などの飲み会はアリかナシか?」という質問項目においてのアリ度は、10~20代で50.2%で、30代で50.7%。この項目がいちばん差が開くかと 思いきやほとんど変わらず。さらに「販促キャンペーンなど特別イベントへの 協力はアリかナシか?」という項目では、10~20代で51.9%、30代で48.6%と、逆にゆとりのアリが3.1ポイント上回っています。


「野心がない」「競争意識がない」という仕事観については確かに調査結果でもその傾向が見て取れますが、少なくとも「ゆとり世代」において「協調性がない」というのは、この調査からは読み取れません。ドラマに出てくる「飲み会? それって強制参加っすか?」「忙しくてメールチェックしてないんスよね。次からLINEでお願いしまーす!」という協調性ゼロを表す象徴的なセリフに 「あるある~」と思った人も多いはずですが、ひょっとしたらこれは偏見なのかもしれません。


■大人VS若者は永遠のテーマ

そもそも「ゆとりですがなにか」というタイトルの開き直り感は、ゆとり世代の言動に対して「これだから、ゆとりはな~」と嘆く、世の先輩世代の否定的視線が土台にあってのものです。

そして、この構造って今に始まったことではないというのが、自分の持論です。いま52歳の自分が青春時代を過ごした1980年代には「新人類」という言葉が登場し、当時の若者を揶揄していました。一部肯定的に使われることもありましたが、「これだから、新人類はな~」と、今のゆとり世代と同じように語られていたものです。


もっと言うと戦前派は戦後世代に対して、明治生まれは昭和世代に対して、同じように「これだから、今の若いやつは」というレッテルを貼っていました。要はいつの時代も大人は、時代の変化を受け違う価値観を形成することになる 若い世代を理解できず、否定的に捉えるものだということですよね。結局のところ、 現場のマネジメント層はいつの時代もこのジェネレーションギャップに立ち向かう宿命を背負っているのです。


でいけば「これだから~」と嘆くより一歩踏み出して彼らを理解する。こっちのほうがよっぽど建設的じゃないですか。と、自分にも言い聞かせている今日この頃。苦笑。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
 ※お問い合わせは、お問い合わせフォームからお願いいたします。