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ツナグ働き方研究所

【短期集中連載】外国人技能実習生現場レポート Vol.2

深刻な人手不足を受け、外国人労働力をめぐる議論が活発化している。いうまでもないが、外国人就労政策は移民政策と対をなす非常にナーバスなテーマだ。だからこそ歴代の日本政府はここまで慎重の上にも慎重を期した対応をしてきた。そうした葛藤の中で、妥協の産物として事実上の外国人就労を担ってきたのが「外国人技能実習制度」なのだろう。

政府が外国人受け入れ政策を大転換するのは、この技能実習という建前と本音の軋みに、限界を感じたからなのかもしれない。ツナグ働き方研究所は、少しでも外国人就労の実態に迫りたいと考え、外国人技能実習生についてその現場を緊急取材。

第2回目は、ベトナム人実習生を受け入れている監理団体へのインタビューをお届けする。千葉県松戸市を拠点とするエムテック協同組合の高橋理事にお話を聞いた。実習生制度のリアルに迫ってみたい。


関連記事

外国人技能実習生現場レポート Vol.1:「外国人技能実習制度の矛盾」

外国人技能実習生現場レポート Vol.3:「実習制度のキーマン・ベトナム人通訳スタッフインタビュー」


量より質の「ホワイト実習」を実践する監理団体

平賀

エムテック協同組合は、実習生を受け入れる「監理団体」にあたるわけですよね。そもそも実習生の受け入れる方式には、「企業単独型」と「団体監理型」の2つのタイプがあるんですよね。



高橋

はい。企業単独型というのは、実習実施者にあたる日本の企業が、海外の現地法人や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式です。もうひとつが団体監理型で、ウチのパターンですね。事業協同組合や商工会といった営利を目的としない団体が技能実習生を受け入れて、傘下の企業で技能実習を実施する方式。この非営利団体が「監理団体」で、厚生労働大臣および法務大臣から許可が必要なんです。



平賀

なるほど。技能実習者数で比較したデータを見ましたが、企業単独型の受け入れが3.6%、団体監理型の受け入れが96.4%となっていました(2016年・参考:国際研修協力機構(JITCO))。



高橋

そうです。圧倒的に団体監理型が主流ですね。



平賀

なるほど。エムテックさんは現在50社くらいの企業に実習生を送っているというお話でしたが、それらの実習先で、実習生はどんな技能を習得するのですか。



高橋

我々が受け入れている職種は、もともとのきっかけとなった内装や鳶なんかの建築関係がベースです。最近では掘削、食品加工、印刷なんかも加わって、ちょっとバリエーションが増えました。いま全部で12職種の受け入れをやってますね。日本での実習対象は全部で確か77職種139作業というのが、最新の状況だったかな。



平賀

受け入れている実習生の数としては、どのくらいの規模感なんですか。



高橋

うちの実習生は全部で120人くらいです。全国規模で何千人も受け入れているという所もあるし、中堅クラスでも200-300人規模のところはありますからね。まだ小さい方でしょう。ま、こういった規模だからていねいにやれてるってのもあるんでしょうけどね。


給与支払いの監督に細心の注意

平賀

なるほど。ここからはエムテック協同組合が、どのようにしてホワイト実習を実践しているのか、その特徴についてお伺いしたいのですが。



高橋

特徴ね。うちは、実習生のお給料に関しては、めちゃめちゃ細かく監督してますね。当然、技能の習得がベースではあるんですが、お金のことも大事なポイントであると思ってます。



平賀

確かに。そこにコミットしてあげることは実習生を守ることに直結しますもんね。とはいえ、いろいろと調べていくと、給与支払いに関してはけっこう杜撰な実態があるとも聞きます。たとえば残業分や休日出勤分の賃金を割増して払わなきゃいけないっていうルールを知らないとか。悪気はないのかもしれませんが、問題ですよね。



高橋

そうなんです。だからこそ、うちはそこを細かくやってるんですよね。



平賀

そういう現状では確かに、詳細なチェックが必要ですよね。


給与明細とタイムカードの付け合わせまでやりきる

高橋

給料明細だけでなく、タイムカードも出勤簿も日報も全部を毎月提出してもらって、実習生全員分の支払い状況をチェックするようにしています。まず、給与明細にある労働時間数や日数が、タイムカードや出勤簿と一致しているか確認する。なおかつ日報で、どういう仕事をしたかもチェックするんです。



平賀

確かに給与明細だけでは実際にどれくらい働いたか分からないですよね。たとえばタイムカードだけ見たところで、適当な時間で打刻して退社したことにしておいて、実際はその後も残業してた、ってこともないとは言えませんからね。



高橋

そういうことなんです。「ちゃんと給料が支払われてるか」だけでは十分にチェックしたことにならないんですよね。「何時から何時までやって、残業代がいくらで交通費がいくらかかった」と書いたものを提出してもらって、それが実際の支給額に反映されているかどうか確認しないと。とにかく、給料明細でもタイムカードでも、「何か一つだけ見る」っていうのはあまり意味が無いんです。



平賀

そのくらいちゃんとやってらっしゃる監理団体って、少ないように思います。



高橋

実習生も、当然、給料明細の項目の意味も、最初は分かってないからね。それを「これが基本給、これが住民税、これが社会保険料」って、意味も仕組みも全部教えるところから始めなきゃいけなかったんで、こっちも実習生も大変でしたよ(笑)。


給与をコミュニケーションの軸にして実習生と信頼を築く

高橋

でも結果的には、すごく管理しやすくなりました。



平賀

というのは?



高橋

たとえば実習生から「給料を上げてほしい」と言われた時、その時に組合として「実習生達がどのくらい働いて給料をいくら貰ってるか」という実態を把握してると、相談に乗ってあげやすくなる。もしも結果的に昇給させてやれなかったとしても、実習生にとって納得のいく説明ができますから、途中帰国者や失踪者を減らすことにもつながるんですよ。



平賀

実習生の給料や実働を把握しておくと、彼らも信頼してくれるんですね。確かに彼らが置かれている状況も知らないでこっちが一方的に指導しようとしたって、向こうは聞く気になりませんよね。給与をきちんと監督することが、実習生や実習先企業とのコミュニケーションのベースにもなるし、実習生にとって「ちゃんと見てもらってるんだ」という働くうえでの安心感にもつながるし、ひいては監督省庁の組合に対する信頼醸成にもつながる。お金を基軸にしたコミュニケーションやマネジメントが、いかに重要かということが理解できました。本日はありがとうございました。


エムテック協同組合が実践する「ホワイト実習」。技能習得が目的の実習生制度とはいえ、お金に関する厳格な監理を行うことによって、健全な実習が担保されているのだ。次回の第3弾レポートでは、エムテック協同組合のキーマンともいえるベトナム人通訳にスポットを当てる。こうご期待。


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外国人技能実習生現場レポート Vol.3:「実習制度のキーマン・ベトナム人通訳スタッフインタビュー」


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ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
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