【店長応援企画・店長のミカタ】外国人雇用最前線レポート(前編)/アプリ菅沼基さん×ツナグ働き方研究所 所長 平賀

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おもてなしの国ニッポン。その世界最高峰のサービス力を支えるのは、間違いなく現場を仕切る店長。日本のお家芸ともいえる「飲食業界」を牽引する主役たちが、今最も頭を悩ませるのは人手不足の問題。1月の有効求人倍率は1・59倍とバブル期を超え、とにかく人が採れない状況が続いています。
そんな飲食店の人手不足を救う選択肢の一つが外国人採用。2017年の外国人労働者は128万人と、前年から約20万人増え大きな労働力源となっています。今回は、「外国人雇用最前線レポート」をテーマとし、外国人採用の本質を熱く語ってもらいました。
前編では、株式会社アプリの菅沼基さんをゲストにお迎えし、親日の代表格である台湾からのマッチング事業についてお話を伺いました。

後編はこちら
外国人雇用最前線レポート(後編)/asegonia井上義設さん

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むしろ高いお金を払ってでも台湾人スタッフを雇いたいと思うはず

平賀
アプリという社名は、いわゆるスマホのアプリが由来ではないんですよね。
菅沼
アプリカント(応募者)、レセプショニスト(接客係)、プロフェッサー(専門家)という3つの言葉からとった造語なんです。「応募者」「接客係」に常に注目、尊重し、人材サービスの「専門家」であれ。という想いを込めてapptli(アプリ)という社名にしました。でも最近は、よくIT関連の会社と間違えられます(苦笑)。
平賀
御社が力を入れてらっしゃるTSUNAGU CHALLENGEのツナグという言葉にも、グッと親近感を感じます(笑)。
菅沼
創業期から「つながる」ということを大事にしてきました。人と仕事をつなげるのはもちろんですが、「リゾートで働く」「東京で働く」「海外で働く」という各事業もつながっているんです。日本人の求職者に対してリゾートバイトや東京での仕事を紹介する、さらには海外で語学を学びながらアルバイトをしたいとか、ワーキングホリデーを利用して仕事体験をしたいという人に向けてもサービスを展開しています。
平賀
その中で、日本人求職者向けだけでなく、インバウンドの外国人に向けてのサービスもスタートさせたわけですよね。現在は、台湾からワーホリで来る若者や留学生を、日本の企業や店舗に紹介するマッチングサービスの需要が大きく伸びているそうですね。台湾の求職者向けのマッチングサービスをスタートさせた経緯を教えてください。
菅沼
年々中国語圏からのインバウンド旅行者が増加する日本で、中国語を理解するスタッフの需要が増えたということと、実際に台湾から日本に来たがっている若者が多いということです。台北と高雄にあるビザの発給所の様子も視察したんですが、思っていた以上に台湾人の若者が日本で働きたがっていて、しかもすごく親日なんですよね。これはすぐにサービスを開始すべきだと。
平賀
そのサービスは、これまで「Tokyo Dive」や「アプリリゾート」のサービスを利用していた企業に、ワーホリや留学で日本を訪れる予定の台湾人の雇用を提案するということから始まったわけですよね。
菅沼
そうですね。主に飲食店や物販などの職種を中心に、現在は急激に需要が伸びています。
平賀
でも、初めは外国人を雇用するということに消極的な企業や店舗も多かったのではないですか?
菅沼
そうなんです。でも、われわれとしては、人手不足が深刻化して日本人の労働力では補えなくなったという状況は分かるものの、「やむなく外国人で補填する」という考え方を払拭したいと思っているんです。今はまさにインバウンド対応で、むしろ高いお金を払ってでも台湾人スタッフを雇う価値は大いにあるんです。なので、「日本人より低い賃金で雇えますか?」という質問もたまにいただくんですけど、その考え方は非常に残念だなと思いますね。
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中国語、英語、日本語を使い海外からの観光客とのコミュニケーションもスムーズ

平賀
中国語に対応できるという点だけでも、台湾人スタッフを雇うメリットはとても高そうですが、その他にどんな長所がありますか?
菅沼
やはり職種としてはサービス業が多いので、マインド的に日本人と似ているというのは、マネジメントの観点からも大きな利点だと思います。何より日本語を学ぼうという意識も高いし、日本人よりも英語に堪能な人が多いのも特徴で、中国語、英語、そして日本語も使えるとしたら、海外からの観光客を含めほとんど全ての人とコミュニケーションが可能です。それに漢字文化ですからメニューやハンディの覚えも早いんですよね。
平賀
これから2020年の東京オリンピックを控えて、どんどん雇用の需要は高まるでしょうね。
菅沼
弊社では仕事を紹介するだけでなく、希望者には住まいの紹介や賃貸契約のサポートもしているんです。日本はまだまだ外国人NGの物件も多いですしね。台湾支社には現地スタッフもいて、しっかり相談できるので利用者は安心だと思います。日本での住まいがちゃんと決まっていると、すぐに仕事を辞めたり、ドタキャンしたりというようなこともなくて、離職率も低いんです。
平賀
ただ、ワーキングホリデーだとフルタイムで働けても、期間は1年までと定められていますよね。期間が決められているということに関して、デメリットだと感じる採用担当者もいそうですが。
菅沼
確かに「1年間で終了」と聞くと「もっと長期で働いてほしいのに」とおっしゃる方も多いのですが、日本人の学生スタッフでも1年以上同じアルバイトを続ける人の割合は半数にも満たないですよね。台湾人スタッフの満了率は、それに比べればむしろ高いと言えます。しっかり稼ぎたいと、熱心な人も多いですし。
平賀
期間満了の後、また日本で働きたいという人も多いですか?
菅沼
そうですね。半数くらいは日本で就職したいという希望を持っていますが、そのまま正社員にというのは、なかなかハードルが高いので、台湾に戻って日系企業に就職するというセカンドキャリアを選択する人もいますね。
平賀
ワーホリの経験がそこで終わるのではなく、求職者にとっても海外進出を視野に入れる企業にとっても、そういう形でつながっていくというのは、まさに「TSUNAGU CHALLENGE」というプロジェクトのさらなるグローバル化を表していると思います。
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空前の人手不足を補う一手として、外国人労働力を活用する。ここを出発点として、今回話を伺いました。図らずも「やむなく外国人で補填するという考えは残念」だという点で一致していました。彼らは外国人労働者が「戦力」として、あるいは「人材」としての価値があると実体験から確信し、確かにそういうスタンスで外国人雇用を展開している企業こそが成功している。そこが本質なのではないでしょうか。

後編はこちら
外国人雇用最前線レポート(後編)/asegonia井上義設さん

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本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナグ・ソリューションズ)担当 牧戸(まきと)
Tel:03-3569-2790
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プロフィール

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菅沼基(すがぬま もとい)

株式会社アプリ 事業部長
埼玉県出身。2003年獨協大学卒業後、商社にて人事採用を担当。2006年人材サービスを行う株式会社アプリに営業として入社。2016年事業部長としてシティ人材サービス部の立ち上げを行う。『若者に価値あるChallengeを』という企業理念の下、東京で働きたい地方人材を都内の企業に紹介するTokyoDive(トーキョーダイブ)・日本で働きたい台湾人材を日本の企業に紹介するTokyoDive台湾の運営を行っている。
TokyoDive(トーキョーダイブ)台湾
「リゾートではたらく(アプリリゾート)」「東京ではたらく(Tokyo Dive)」「海外ではたらく(Global Dive)」という3つのフィールドで、就業サポートを行う「TSUNAGU CHALLENGE」を展開。2002年リゾートエリアに特化した人材派遣事業からスタート、その後リゾートワーカーのセカンドチャレンジとして、東京・海外での就業支援まで事業拡大。昨今、その中核となるTokyo Diveでは、日本人だけでなく台湾からのワーキングホリデーマッチングが急成長。

平賀充記(ひらがあつのり)

ツナグ働き方研究所 所長
1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。「FromA」「FromA_NAVI」「タウンワーク」「とらばーゆ」「ガテン」などリクルートの主要求人媒体の全国統括編集長を歴任。 2014年株式会社ツナグ・ソリューションズ取締役に就任。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任、今に至る。著書に『非正規って言うな!』『サービス業の正しい働き方改革・アルバイトが辞めない職場の作り方』(クロスメディアマーケティング)がある。