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ツナグ働き方研究所

【多様な働き方を研究するコラム】21世紀は、働く若者受難の時代か

2015年9月11日に成立した『青少年雇用促進法』。若者を取り巻く就労の現状と合わせて、ツナグ働き方研究所 所長の平賀が考察を述べます。
■若者支援法案可決

9月11日、衆議院の本会議で「青少年雇用促進法」が全会一致で可決され成立しました。この青少年雇用促進法は勤労青少年福祉法を一部改正して名前を改めたもので、青少年の雇用の促進などを図り、能力を有効に発揮できる環境を整備するためのものです。


内容的には、ハローワークが労働関係法令違反の企業の新卒求人申込みを受理しないことが可能になるなど、「ブラック企業」対策も盛りこまれています。ここのところ雇用政策のメインストリームは明らかに「女性活躍」。政府が主導する日本再興計画においても、若者雇用は盛り込まれているものの、女性活躍推進の比ではなく、今回のように雇用分野で若者にスポットが当たったのはすごく久しぶりだったような気がしてしまいます。


■若者労働力神話の崩壊

労働市場においても、女性をはじめシニア、外国人労働力も含めたダイバーシティワーカーの活用が声高に叫ばれ、アルバイト・パートの採用シーンでは少しずつですが彼らの活用が進んでいます。飲食業や接客・サービス業などの現場では、かつては「若者神話」が絶対的な価値を持っていました。そんな労働市場において、さまざまな制約条件は有するものの充分に働けるダイバーシティワーカーの活用が進むのは歓迎すべき潮流なのですが、反対に労働力としての若者の存在感が希薄になってきているのは皮肉に感じます。


そもそも、労働力としての若者の価値は、当たり前ですが「若さ」にありました。経験がないぶん、従順でフットワークがよく、要は使い勝手のよい労働力というわけです。しかし今時の主婦やシニアはアンチエイジ化が進み、見た目も気持ちもコミュニケーションも若々しく、働くうえでのハンディが少なくなりました。そうなると逆に、人生経験が豊富でホスピタリティが高い、いわゆる「気が利く」というスキルが俄然際立ってきます。


確かにスーパーのレジに並ぶ時、若いスタッフを避けベテラン女性のラインを無意識的に選択していたりします。あれはスピードだけでなく、どの品物の上にどの品物を置くとマズイかというような気の利かせ方がポイントになっているのではないでしょうか。


■AI化でさらに受難の時代に

ほんのちょっと前までは、数的に希少化してきた若者が採用できず、セカンドチョイスで採用されていたダイバーシティワーカーの「労働力としての質=気が利く力」が顕在化すればするほど、若者の価値は薄れます。そして、さらに追い打ちをかけるのが、ロボット、AI、IT等の技術革新です。これらの「新たな機械化」が代替しやすいのは、いうまでもなく定型的な業務。逆に「対面的やりとり」「柔軟な対応力」「問題解決力」などのスキルが必要とされる非定型業務は代替されにくいわけですが、このスキルは、前述のように主婦やシニアの方が長けているスキルです。新たな機械化は、主婦やシニアと若者の、労働力としての明暗をさらに加速化させていくかもしれません。


これまで社会人基礎力を蓄える機会でもあったアルバイトシーンで、選ばれなくなる若者は、さらにコミュニケーションやホスピタリティを学ぶ場が少なくなるわけです。主婦活用や機械化自体は正しい流れであると思いますし、答えがあるわけではないのですが、若者の「働く」がどうなっていくのか、非常に不透明な未来がすぐそこに来ているようです。


◆本件に関するお問い合わせ先

ツナグ働き方研究所(株式会社ツナググループ・ホールディングス)
担当 :和田
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