
【職場のワカモノ生態図鑑】vol.14 #モクテキ原理主義
いつの世もオトナたちにとって「最近の若いやつ」はよくわからないものですが、近年ますます若者の採用やマネジメントは難しくなっています。
パワハラが気になって指導しにくい。
じっくり話したいけど飲みに誘っていいかわからない。
何がモチベーションかわからない。
優秀な人ほど急に辞めてしまう。
職場のオトナたちからは、こんな悩みの声が尽きません。
最近の若者たちは、いったい何が不満で、何を望んでいるのでしょうか?本企画では、ツナグ働き方研究所所長・平賀の著書『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』から、若者の職場での生態を表す20のキーワードを紹介。彼らの労働観や仕事に対する考え方を解き明かしていきます。
あなたの職場の若者は、どのキーワードに当てはまるでしょうか!?
「それって、やる意味あるんですか?」
職場で若者をマネジメントする人ならば、多くの人が聞いたことのあるセリフではないでしょうか。イラッとして「いいから言われたことを黙ってやれ!」と言いたくなる人もいるかもしれません。でも、それは一番のタブー。若者にとっては、物事の「意味づけ」がなにより大事だからです。
昨今、マネジメントではよく「目標より目的で語れ」と言われます。例えば「うちの店で売上100万やろう!」と言っても、若者は動いてくれません。「私たちの仕事は、お客様のためにあります。お客様の満足が、私たちへの信頼となり、その信頼の積み重ねが100万の売上になるのです」と説明して、やっと腹に落ちるといった具合です。物事の大小にはこだわりはありません。たとえ小さなことでも、誰かのためになるとわかれば真面目にやりきります。
反面、理不尽なことにはものすごいアレルギー反応を示します。
「仕事とは理不尽なものだ。社会とは理不尽なものだ。今までキミたちが生きてきた学生生活とはまったく違う。覚悟してほしい。くわしく聞きたいやつは、3000円握りしめて私のところに来なさい。飲みながら続きを教えてやる」
これは、私が新入社員として出勤した初日に、人事部長が挨拶で語った言葉です。
オトナであっても無意味なことはやりたくなくて当然です。しかし仕事においては「とにかくやれ!」という理不尽が通用していました。なぜなら、経済が右肩上がりの時代には、やれば必ずリターンがあると信じられたからです。
しかし今は、先行き不透明な時代。とにかくやってもリターンが返ってくる保証はありません。若者はただ働きたくないのではなく、「やり損」になるリスクを避けるために、ひたすら合理性を求めるのです。
職場には「理不尽耐性」イコール「オトナの度量」とする風潮が、確実に存在していると思います。しかし意味づけが大事な今の若者にとって、理不尽とは「ブラック企業」や「やりがい搾取」と同列に位置するネガティブワードです。
若者に理不尽な上司とは? と聞いてみたところ、指示がコロコロ変わる上司や、簡単に前言を覆す上司という声が多数でした。そういう意味で、理不尽とは、無能な上司によってもたらされる職場の災害だともいえます。インターンで働く21歳の男子大学生は、「理不尽なことに反論しても、どうせまた理不尽が返ってくる。だからやり過ごすようにしている」と言っていました。話がわからない相手は無視するだけ。そして静かに去るのみです。
そんな彼らに、仕事はそもそも理不尽なもの、理不尽に耐えてこそキミの成長がある、などと説こうものなら、自分が無能であると認めているようなもの。途端にそっぽを向かれてしまうでしょう。
関連キーワード
#理不尽アレルギー #誰得シンドローム #イミがないと起動しません #でもナットクすればやります
その他のキーワード
#1 いいね!社交界
#2 セルフツッコミディフェンス
#3 カモフラージュ癖
#4 マイルディング
#5 プチバズる
#6 多キャラもの
#7 職場のカマチョさん
#8 ムリヤリア充
#9 被害妄想GPS
#10 プロジェクト型
#11 マウンティング過敏
#12 1DAYグルーピング
#13 コトミュニティ
#14 モクテキ原理主義
#15 コスパNo.1
#16 福業
#17 タイムパフォーマンス
#18 考えるな!ググれ!
#19 石の上にも3分
#20 りょ族
『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)

<若者の「心の中」 例>
・ バリバリ働いて40万円稼ぐより、そこそこ働いて20万円でいい
・ 「コスパ」の悪い飲み会、残業はNO!
・ 大きな売上をゲットするより、「お客さんが喜ぶ」ことが大事!
・ 出世してプレッシャーを背負うよりも身の丈にあったポジションで自分らしく働きたい
・ 目立つエースにはなりたくないけどベンチ要員も嫌
・ どんな暴言よりも「時間を奪われる」ことが最悪のパワハラ!
・ 石の上に三年なんていられない! 修行するより仲間とコラボして結果を出したい
・ 「自分的には普通にアリ」…はっきり白黒つけたくない
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