【職場のワカモノ生態図鑑】vol.1 #いいね!社交界
パワハラが気になって指導しにくい。
じっくり話したいけど飲みに誘っていいかわからない。
何がモチベーションかわからない。
優秀な人ほど急に辞めてしまう。
職場のオトナたちからは、こんな悩みの声が尽きません。
最近の若者たちは、いったい何が不満で、何を望んでいるのでしょうか?本企画では、ツナグ働き方研究所所長・平賀の著書『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』から、若者の職場での生態を表す20のキーワードを紹介。彼らの労働観や仕事に対する考え方を解き明かしていきます。
あなたの職場の若者は、どのキーワードに当てはまるでしょうか!?
忖度というと政治家や権力者に対するオトナの配慮といったイメージがあるかもしれません。でも実は、若者も忖度しまくっています。
みなさんもニュースなどで、タレントや企業のSNSが「炎上」している様子を見たことがあると思います。一度炎上してしまった投稿は、削除したところですでに手遅れ。写真のコピーや投稿画面のキャプチャ画像があっという間に増殖して、ネット上では半永久的に晒され続けることになるのです。消したくても消せない過去の汚点。これを「黒歴史」や「デジタルタトゥー」というそうです。
若者たちは、SNSのこうした「常に誰かに見られているリスク」を念頭に置いてコミュニケーションをとる習性が身についています。
インタビューした大学3年生の女子(21歳)は、こんなことを言っていました。
「バイトでどうしてもシフトに入れないことがあったんです。あるイベントに遊びにいく予定があったのでシフトを外していただけなんですけど。でも、そのイベントの写真がSNSでお店の人に見られちゃって、会ったときにすごい嫌な顔をされたんですよ」
怖いですよね。「こんな投稿をしたら、どんなふうに思われるか」「批判を浴びることにならないか」「友達に嫌がられないか」などと、いつも神経をすり減らしながら投稿しているわけです。
このSNS的な忖度の流れには、とりあえずの「いいね!」もあります。
「今日、23歳のバースデイ! 仲間にお祝いしてもらいました!」
「1週間、お休みもらってスペインに行ってきた! ガウディ最高!」
そんな友達の投稿に、無心で「いいね!」を押す。それがSNSの世界では当たり前の習慣です。SNSに慣れ親しんだ若者にとっては、この習慣は顕著です。自分が何か投稿すれば、どんなささいな内容でも何件かレスポンスがあるというのが普通。逆にレスポンスがなかったりしたら、彼らは言い知れぬ不安に襲われます。何かおかしな投稿をした? まわりに変なふうに思われてない? そんな気持ちが増幅していきます。だからこそ友達の投稿にほぼ自動的に「いいね!」を押すのです。
「いいね!」を押し合うのは、言ってみれば礼儀作法。こうして「いいね!」社交界が形成され、友達に忖度した「いいね!」が激増、結果「いいね!」がばらまかれます。もはや若者が押す「いいね!」は、「見たよ!」というサイン程度のものです。
そして若者たちは、リアルにも同様の感性を持ち込みます。だから、なにかにつけ「いいね!」がデフォルトなのです。
例えば「店長、あれやっときました!」などと報告があったとき、目も見ないで「ああ」とか、素っ気ない返事をしていると、確実に「あれ?」と思われてしまいます。「いいね!」どころかレスポンスが薄い……。自分が何かおかしなことをしたのではないかと不安になるのです。
関連キーワード
#忖度LIKE #デジタルタトゥー #あれ、「いいね!」つかないんですけど… #とりあえずレスしようよ
その他のキーワード
#1 いいね!社交界
#2 セルフツッコミディフェンス
#3 カモフラージュ癖
#4 マイルディング
#5 プチバズる
#6 多キャラもの
#7 職場のカマチョさん
#8 ムリヤリア充
#9 被害妄想GPS
#10 プロジェクト型
#11 マウンティング過敏
#12 1DAYグルーピング
#13 コトミュニティ
#14 モクテキ原理主義
#15 コスパNo.1
#16 福業
#17 タイムパフォーマンス
#18 考えるな!ググれ!
#19 石の上にも3分
#20 りょ族
『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)
<若者の「心の中」 例>
・ バリバリ働いて40万円稼ぐより、そこそこ働いて20万円でいい
・ 「コスパ」の悪い飲み会、残業はNO!
・ 大きな売上をゲットするより、「お客さんが喜ぶ」ことが大事!
・ 出世してプレッシャーを背負うよりも身の丈にあったポジションで自分らしく働きたい
・ 目立つエースにはなりたくないけどベンチ要員も嫌
・ どんな暴言よりも「時間を奪われる」ことが最悪のパワハラ!
・ 石の上に三年なんていられない! 修行するより仲間とコラボして結果を出したい
・ 「自分的には普通にアリ」…はっきり白黒つけたくない
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